「テンペイ様、お誕生日ってなあに?〜祝われるって、ちょっとくすぐったい〜」
テンペイ様の“お誕生日”をめぐって、村がちょっとだけ騒がしくなります。
祝うって、なんだろう? 祝われるって、どんな気持ち?
テンペイは戸惑いながらも、村のみんなの“気持ち”に触れていきます。
今日は、そんな“やさしいお祝い”の物語です。
テンペイは、いつものように木陰でスライムとごろりと寝転がっていた。
空はやわらかく、風もぬるくて、今日もいい日だった。
「ね〜、スライム。“なんにもない日”って、なんか気持ちいいよね〜」
スライムが“ぷるん”と跳ねる。
――その頃、村の子どもたちは、こっそりと集まっていた。
「ねぇ、テンペイ様の“おたんじょうび”って、いつだと思う?」
「いつかはわかんないけど、なんか……お祝いしたくない?」
「うん! いつもありがとうって、言いたいよね!」
そこから、子どもたちの“お祝い会”計画が始まった。
手作りの飾り、プレゼント、テンペイ様が好きそうな“スライム型のケーキ”。
スライムにもこっそり相談して、「王冠づくり」に協力してもらう。
村人たちも、なんとなく雰囲気を察して、自然に協力していった。
テンペイはというと……
「なんか、村がざわざわしてる気がするけど〜……まあ、気のせいか〜」
――と、気づいているようで気づいていないような様子。
* * *
そして、ある日の夕方。
広場にテンペイがやってくると――
「テンペイ様! おたんじょうび、おめでとう〜っ!!」
パッとひらいた紙の飾り。
木の実でつくったネックレス。
スライム印の、ちょっとゆがんだ手作り王冠。
テンペイは、びっくりして目をまるくして、それから……
「ぼく、いま……“生まれてきてよかったな〜”って思ってるよ〜」
と、ふわっと笑った。
* * *
その夜。
焚き火を囲んで、みんなでケーキを食べた。
ケーキの味は、甘くてやさしくて、あたたかかった。
テンペイは、星空を見上げながら、ぽつりとつぶやいた。
「祝われるって、“生きてていいよ〜”って言われてるみたいで……ちょっと、くすぐったいねぇ〜」
スライムが“ぷるんっ”と跳ねて、テンペイの肩に乗った。
テンペイはそっと笑った。
「でもね……すっごく、うれしいんだ〜」
夜空は今日もふわっと、やさしく広がっていた。
お読みいただき、ありがとうございました。
今回は、テンペイ様が“お誕生日(?)”を祝われる、やさしいお話でした。
テンペイは、誕生日の意味もよく知らないようでしたが、
「祝われること」がこんなにもあたたかく、くすぐったいものだと、感じてくれたようです。
誰かに感謝されること。
「生きてていい」と言ってもらえること。
それって、何よりも大切な“ギフト”なのかもしれませんね。
そして、ここまで読んでくださったあなたにも。
「今日もありがとう〜。高評価もブクマも、“ぷるんっ”て喜んじゃうよ〜」
もし次回も読んでみたいな〜と思ってくれたら……
「そ〜っとでいいから。“ふわっ”と、そして“ぷるんっ”とブクマしてくれたら……うれしいな〜」
次回は、「テンペイ様、旅に出る?〜たまには、風まかせ〜」
のんびりと、やさしい風に誘われて。
テンペイが“ちょっとだけ外の世界”に出かけます。
どうぞお楽しみに!




