プロローグ
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「俺の名前は中村 慶一。17歳の高校生だ。
毎日が退屈で、特に目立つわけでもなく、どちらかといえば一人が好きなタイプ。
だけど——あの日、俺は人生を永遠に変えてしまう選択をしてしまった。
きっかけは、何気ない行動だった。
“行ってはいけない”と噂されている学校の屋上へ、何となく足を運んだことから全てが始まった。」
いつもと変わらない朝。通学して、退屈な授業を受けて、
休み時間に俺は屋上へ向かった。
ポケットからタバコを取り出し、火をつける。
一服しながら、お気に入りのスマホRPGを起動する。
——そのときだった。
足元がぐらりと揺れた。
「地震か?」と呟きながらスマホをしまい、どこか掴める場所を探す。
……でも、違った。
足元に突如として現れたのは、光を放つ謎の魔法陣。
「え、これって……ゲームとか漫画でよく見るやつじゃね?」
そう思った瞬間、視界が真っ白に染まった。
落ちる感覚——ガチで。
空から引きずり込まれるように、重力に逆らえず真っ逆さま。
俺の体は洗濯機の中みたいにぐるぐる回り、気づけば草むらに叩きつけられていた。
「うぐっ……生きてる、よな?」
目を開けると、青い空、心地よい風、せせらぎの音。
近くには湖。
景色は綺麗だけど、ここどこだよ……。
痛む体と立ちくらみに耐えながら立ち上がる。
スマホを見ると、まだ休み時間中。でも電波がない。
周りは草原と森だけ。建物も電波塔もない。
そのとき、腹が鳴った。
……そういや、朝飯食ってねぇ。
タバコ吸いたさに飯も抜いて来たのを思い出す。
腹減った。
俺は森へ向かって歩き出した。
草、石、木。……食えそうなものは皆無。
しばらくして、倒れたウサギを見つけた。矢が刺さっている。
「誰か狩りしてるのか?」
まぁ、食えるなら文句はない。
「……生でいくか?」
一瞬迷ったが、腹の音に負けた。
ポケットにはライター(ガスはギリギリ)。
枝を集めて火を起こし、ウサギを焼き始めた。
ジュウウ……。
香ばしい匂いに思わずよだれが出そうになる。
俺はスマホを火のそばに置き、火を見つめていた。
——そのとき、突風が吹いた。
「おぉぉぉ、おいおいおいっ!!」
スマホが火の中に落ちた。
慌てて拾ったが、時すでに遅し。
画面はバキバキ、半分焦げて、電源も入らない。
「うわぁ……俺の唯一のデジタル資産が……」
手に持ちながら、ふと思う。
「……これ、食ったらどうなんだろう?」
空腹と壊れた脳のコンボで、思考が完全に崩壊。
肉が焼けるのを待ちながら、焦げたスマホの匂いに釣られて——
俺はそれを口に運んだ。
——バリッ。
味は最悪。プラスチックとガムと基板のミックス。
それでも、なぜか全部食べきった。
——詰まった。
川までダッシュして水をがぶ飲みし、必死に咳き込みながら胸を叩く。
そのとき——俺の体が光り始めた。
でも、パニックにはならなかった。
むしろ、なんか……腸の調子が良くなった気がする。
そして——目の前に、透明なパネルが現れた。
《システム起動》
未登録ユーザーへようこそ。
ユニット:次元型スマートフォンX、身体と統合完了。
システムをアクセス中……
「……システム?」
声は俺の口からではなく、まるで空間から直接響いてくる感じだった。
画面には謎の文字。でも、なぜか理解できる。
「なにこれ、読める……?」
「っていうか、これ……やべぇ。」
【メニューシステム】
>ステータス
>アイテム
>設定
「うわっ……RPGとファンタジー漫画の合体じゃん!」
パネルを閉じようとすると、ただ“思っただけ”で消えた。
再び思い浮かべると、また出てきた。
【設定】
ステータス変更
オートモード:[OFF]
管理者ワールド:[非公開]
※ロック中:アクセスには条件が必要です
追加ボタン:
システムアップグレード [条件未達成]
次に【ステータス】を選択。
【ステータス】
名前:中村 慶一
レベル:1
ジョブ:[なし]
タイトル:[なし]
HP:∞
MP:∞
アクティブスキル:???
パッシブスキル:システム
補足:世界名「エセリア」
最後に【アイテム】を確認。
【アイテム】
1/∞
高校の制服
「……それだけかよ。」
「“条件”ってなんだよ。アップグレードって……」
疑問は尽きない——でも。
ふっと笑みがこぼれる。
「エセリア、か……案外悪くない世界かもな。」
草の上に寝転がり、空を見上げる。
風が心地よく吹き抜ける。腹も満たされた。
——ただ、ひとつだけ気になることが残っていた。
「……帰れるのかな?」
風がそっと吹いた。
深く息を吐く。
「何が起こるか分からないけど……
一つだけ分かったことがある。
——焼きスマホは、二度と食べたくねぇ。」
えっ、もう読み終わったの?早っ!
どうだった?面白かった?カオスすぎた?スマホ投げたくなった?
まあまあ、続きはもっとヤバい(たぶん)からお楽しみに!
それじゃ、今回はこのへんで!
(主人公も今ごろ、変な人生について悩んでます。)
次回をお楽しみに〜!