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その① 不機嫌なお姫さま


 デイジーは12歳のお姫さまです。


 高級なドレスをまとって、頭にはキラキラ光るティアラを被っています。


 大きなお城の豪華な部屋に住んでいて、何でも食べたいものが食べられます。


 それにお父さんの王様も、お母さんの王妃様もとても優しい人たち。


 何一つ不自由のない暮らしをしているのに、なぜかいつも不機嫌。


 なぜデイジーが不機嫌なのかというと――。


「デイジーさま。おはようございます」


 大人のメイドが丁寧にお辞儀をしています。


「やや。デイジーさま。こんなところに来られてはなりません」


 厨房のコックさんが慌てています。


「ご、ご機嫌麗しゅうございます。デイジーさま」


 お城にやって来る貴族の子供たちも緊張しています。


 そう。デイジーがお姫様だから、みんなが遠慮してしまうのです。


 気を遣わずに接してくれるのは王様と王妃様ぐらいのもの。

 大人たちが子供の自分に頭を下げるなんてちょっと変。

 何より同じ年頃のお友達がいません。

 だからデイジーは、いつも不機嫌なのです。


 馬車に乗せてもらって出掛けたときに見た城下町の人たちはもっと遠慮していました。

 王族に失礼なことをしてしまったら、重い罰を受けなければならないからです。


「あーあ。一人だとつまらないわ」


 部屋のベッドでお人形遊びをしていたデイジーは、人形を放り投げました。


「そうだわ。城下町のもっと外に行けば、遠慮しないでわたしと友達になってくれる子供がいるかもしれないじゃない」


 デイジーはこっそりとお城を抜けて、城下町を囲っている城壁の外に出てしまいました。


 さて。どうなることやら。

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