ヒカリの力
ひとまず二人(うち一羽?)の喧嘩は収まったようだ。
「ったく、アタシのネーミングを拒否るとは…」
「…ルイさんさっき《ヒントならある》って言ってたわよね?それって?」
「あぁ、忘れてた、ちとまって…よ…っと」
ルイさんはヒョイと本棚に手を向けると一冊の本を引き寄せた。
…これが超能力、私の他にも不思議な力を使う人が居るのだとあらためて実感させられる。
「あいよ、アイそれ触れてみ?」
魔引き手で引き寄せた本を私に投げてきた。
「わっ…、えと…この本が何?」
「キュー!」
「お、わかってんなキュー介!アイ、その本《光らせてみ》?」
キューちゃんへの呼び名が安定しない…
じゃなくて《本を光らせる》?それって…
「あ!そうか試してなかった、光の力!」
大体ここに来てから私が触れると光る、光らせると何か起きる、そんな不思議なことがずっと起きていた。だったらここの本だって。
「えいっ!」
(ブンッ)
本の表紙に文字が浮かび上がってきた。
「すごい!ルイさん!何か浮き出てきたわ!」
「へへっ、アイがここに来た時、てきとーに触って捨てた本あったろ?それを引き寄せた時に薄ら文字が浮かび上がってたのが見えたんよ、だから《もしや》と思ってな」
私たちはワクワクしながら浮かび上がって来た文字を見ると、そこには
(美味しいカレーの作り方-初心者もこの一冊でばっちぐー!b)
「………」
「………」
「……キュ」
「…おい」
「あ、あの…美味しいカレー…作れそうですね」
「んじゃねぇだろぉがよ!!なにがカレーだぁ!?こんな不思議ギミック使ってカレーでも作れって指示か!?」
「る、ルイさん落ち着いて!」
「キュー…」
ルイさんをなだめて落ち着かせるまで時間が掛かった、
しばらく経って…
「アイ~この本は~?」
「…ダメ、楽しいあやとりの本…だって…」
「うがぁー、なんだこの無駄知識の本達はよ~、くそ!鍵や出口に関係あんのかぁ?」
「そう言わずに…他に手掛かりもありませんし…」
「キュキュー」
私たちは手当たり次第に本を光らせてみた…が中はどれも関係ない雑学書ばかり
「あ~めんどくせぇ!アイ、もういっそこの本棚ごと光らせちまえ!」
「そんな無茶苦茶な…」
「…キュー!」
「どうしたの?キューちゃん?」
キューちゃんが先程の本を翼で指している…が特に内容に変化はない。
「キューちゃん、この本がどうかしたの?」
「ん?もしかして!?アイ、《表紙》じゃない《背表紙》だ!」
「え?…あ…」
ルイさんが言ったように確かに背表紙が光っていた。だが文字ではなく全体的に光っているようだった。
「……ルイさん、もしかしてこれって《本棚に入れた状態》で何かあるのかも?」
「だな!超能力で取り出しといてよかったぜ、魔引き、戻れ!」
ルイさんが叫ぶと辺りに積んであった本達が一斉に本棚に戻っていく。
バサバサと音を立てて本が収まると、元通り綺麗に取り出す前の状態に戻った。
「すごい…こんなこともできるのね」
「引き寄せる時の応用だ、逆に押し戻して返してやったのさ」
「キュー!」
「お、見直したか?キュー太!」
「キュー‼︎」
「キレてるペンギンは置いといて、やっちまえ、アイ!」
「…うん」
私は本棚に手をかざすと《光の力》を使った。
私の超能力はまだ把握してないけど、今明確にわかってことは二つ、一つは触れた物を光らせることで仕掛けを動かせること、そしてもう一つは…
《指定した場所を光らせる》こと
「えい!」
「おー、こりゃ当たりだな」
「キュー!」
本棚に並んだ本の背表紙光らせると繋ぎ合わせたように大きな数字が浮かび上がった。
「…右上に偏った8…簡単だな、パズルの数字で《《8は右上》》、多分他の本棚にも同じように書いてあるぜ!」
「キュキュー♪」
「手当たり次第、みてみましょう!」
「それにしても《光の力》か、いいな!なんか優しいって感じで、名前は決めてないのか?」
「え?…ないわ…記憶もないし…わからない…」
「…そうだったな、…だったらアタシがつけてやる!優しく照らす光の力…アンタの超能力の名前は…優しき光手だ!」
「…ルミナス…優しい光…」
「気に入ったか?」
「…うん、ありがとう」
優しき光手、今思えば私が自覚する前からこの力に助けられてきた。暗闇の一人ぼっちの時、この光がなかったらどうなってたことか…
「うっし!名前も決まった所でチャチャっとパズル解くぞ!アイ!キュー太!」
「うん!」
「キューー‼︎」
この力でこの先も明るく出口まで照らしていけますように
ここまで読んで下さり、ありがとうございます!
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