マップタツの分断
「!?今の悲鳴!!」
「ね、姉さんッス!!あっちの方から!!」
病院内の受付
地下のダンジョンを脱出したその直後
目の前にいるピンク髪の少女にルイを飛ばされ、睨み合っていたその刹那
アイ達はルイの悲鳴を聞き届けていた
「あはは♪霧島さんですね~♪あの人女の子に酷いことするの好きだから、きっと大変ですよぉ~♪」
「っ…!?」
アイは拷問されていたあの”記憶"を思い出していた
霧島と呼ばれたその男、アイは記憶の中の男と同一人物だと察し……震えていた
「アイちゃん……だ、大丈夫ッスよ!姉さんは強いんスよ!心も身体も!だから大丈夫!!」
「ケンタくん…」
アイは顔を振り両手で軽く頬を叩く
そして今一度目の前の女の子に目を向ける
「へぇ~、意外に薄情なんですね♪仲間の所にいけばいいのに~♪」
「……貴女がそうさせてくれるとは思えないです」
「キャハ♪」
少女の目元は鋭くなり、眼光は薄く輝く
待ってましたと言わんばかりに笑みが溢れる
「……椎名君、わかっているとは思うが、君の仕事は…」
「はいはいわかってますよ黒沢さん、《司令》通りに飛ばしますって〜」
椎名はポケットから携帯端末を取り出し、つまらなそうに画面を眺める
「まぁ、私はその後に《別の所で》遊ばせてもらいますよ〜♪」
「……それは程々でお願いし…」
「キャハ♪」
院内放送の声が、その言葉を終える前に
椎名は待ちきれなかったかのようにアイ達に迫る
「く、くる!不可侵の…」
「遅いよ♪」
ケンタは超能力を発動する前に
目の前に瞬間移動した椎名に触れられ、姿を消してしまった
「ケンタ君!!」
「次は、あ、な、た♪」
「きゃっ……」
椎名は再び瞬間移動をすると今度はアイの目の前に現れ、ケンタと同じようにアイに触れ、消してしまう
そうしてこの《空間》には椎名だけになった
「はぁ〜い♪お仕事しゅ〜りょ〜です♪」
「流石だ、後は私がテストを行う、君はゆっくりしてくれたまえ」
「休憩時間を頂けるんですね♪そしたら、私ちょっと《遊んで》きますね♪」
「……先ほども言ったが程々に」
「は〜い♪」
椎名はそう言うとその場から姿を眩まし、再び静寂があたりに戻った
「……キュ」
〜病院内、奥〜
「いてて……ここ、どこ?」
「アイちゃん!!そこにいるッスか!?」
アイ達は異様な空間に居た
そこは病室だった、ただカーテンもない月明かりが差し込んでいる部屋
しかし、それにしては部屋は暗く、人影を認識するのがやっとであった
「ケンタ君!無事だったんだね!」
「はいッス!……ただここなんだかおかしいんスよ、俺の超能力でもうまく見えなくて……アイちゃん、この部屋照らせるッスか?」
「え?うん、やってみるね!……優しき光手!」
アイが上に手をかざすと、アイの周りが薄く明るく光が広がる
「……う〜ん、なんだか上手く照らせないよ、機械の部屋の所とおんなじ感じ」
「……それは私が作り出した《空間》だからだよ、ようこそ《アイン》」
病室内に突如放送が入り、アイに話しかける
その声は先ほど受付で聞いた放送の声と同じものであった
「な、なんだアンタ!!俺達をどうするつもりッス!!」
「……」
「貴方……たしか黒沢さん、ですよね?、さっき女の子が言ってた」
「そうだアイン、だが私が何者であるのかなんてどうでも良い、今は君のその超能力……その可能性を私にみせておくれ」
ケンタには無視しアイの質問にも答える気のないその男は一方的に言葉を重ねる
「君の相手に相応しい《物》を用意してある、存分にその力を振る舞えたまえ」
ズズズ
部屋の隅、暗い部屋の角の暗闇から何かが蠢く気配がする
「あ、アイちゃん……あれ…」
「……あれは」
暗闇から影が生まれ、グニョグニョとその形を変えていく
徐々に人型にその影が作られ、
そして完成した
「………」
それは真っ暗でシルエットだけの存在、だが、その背丈、雰囲気はアイ達が良く知る人物であった
「……あれは……わたし…!?」
「……黒いアイちゃん?」
「……閃火」
辺りは一瞬にして炎に包まれた
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