ツイオクの体験
あぁ、なんだ!?この鏡だらけの部屋はよぉ!!」
ルイもアイと同じように鏡の部屋に居た
「……っち、なんだか落ち着かないぜ……」
すると鏡の中の自分がこちらを見つめてきた
「……ぁ?」
鏡の中のルイは正確にはこちらを見ていなかった
どうやらルイの《背後》を見つめているようだった
ルイが後ろを振り返るとそこには
「……陽介…?」
「……よぉ、瑠衣」
背後の鏡の中にルイの元旦那
ルイの元バディがそこには居た
「……また、飛ばされちゃったのかな?」
アイはまた真っ暗闇の中に居た、ここにきてから何度目の暗闇であろうか、もう驚くこともなく、静かにその場に立っていた
「……優しき光手」
アイは慣れた手付きで辺りを明るくする
「ここは、外……?いや、違う……」
明るくなって見えた光景はそこは道路、街灯、階段、いかにも外の景色だったがアイは外に出れてないと思った
何故ならそこに《白鳥愛》が今からだ
自分とは違う、もう一人のアイ、母親が事故にあった時の姿でいた
よく見るとここがあの事故があった場所、駅前だということがわかった
「……お母さん」
もう一人のアイの傍には血だらけの母親が横たわっていた
ぐったりとし、ピクリとも動かない
もう一人のアイはその側で泣いていた
「オカアサン……イヤダ……イナクナラナイデ……」
「……」
アイはしばらくずっとその光景を見つめていた
「……そう、これは私の記憶…私のトラウマ……私が思い出したく無い記憶」
アイはゆっくりともう一人のアイの元に歩き出す
「……でも、いつまでも泣いていられないのよ?……今の私にはルイさんがいる、ケンタ君がいる、キューちゃんがいる」
そういうともう一人のアイを白鳥愛を抱きしめた
「……辛いけど……悲しいけど、先に進むしか無いの……どんなに悲しんでもお母さんは戻ってこない、どんなに悔やんでも遅いの」
「……オカア……サン…、ワタシ……」
「貴女は私、辛いのはよくわかる…でも乗り越えなきゃいけないの、その先に私は行かなきゃいけないの……そんな気がするから」
「……アイ」
もう一人のアイはアイの瞳を覗き込む
「……シンジツヲシリタイ?」
「……え?」
「アナタガワスレテルモウヒトツノキオク」
「……思い出したい!」
「……ツライヨ?クルシイヨ?ソレデモ?」
「うん……私はその為にここまで来たの!」
「……ワカッタ」
もう一人のアイはニコッと笑うと光の粒子になった
その粒子がアイの中に入り込む
「ぅう……くっ……あ、あああああっ!!」
アイは頭を抱え苦しみ始めた
胸を押さえ冷や汗が溢れ出した
「はぁ…はぁ…ぁあ…私は…私はっ!」
「……私はアイだけど、アイじゃない?」
アイはここに来るまでのことを全て思い出した
ここまで読んで下さりありがとうございます!
よかったら評価+ブックマークお待ちしております




