オトズレル試練
「うわぁぁぁ!!助けてッス!!姉さん!!」
「っち、仕方ねぇな魔引き!!」
瑠衣が超能力を使うと岩は進行方向が横に逸れ、暗闇の底へ落ちていった
「……落ちた音聞こえてこないんスけど、どんだけ深いんスかこれ」
「っ!!ケンタ君危ない!!急いで!!」
ケンタが再び後ろを見ると岩が転がった衝撃で橋がピシピシと音を上げながらヒビが入っていく
「あわわわわわっ…い、急げって……でも!!」
「おい!あと少しじゃねぇか!!怖いとか言ってらんねぇぞ!!」
「ぅ……それでもぉ!!」
「ふざけんな!!威張ってる暇あんなら早く行けぇ!!」
「キュッ‼︎」
「え、キューちゃんどこいくの?」
ペンギンがアイが渡って来た橋を走りながら戻り始めた
すると急に横に大ジャンプをし、ケンタのいる道へと降り立った
「キューちゃんすごい!10メートルぐらいあったのに!!」
「キュキュキュ‼︎」
「キュー太郎さぁん!!……ちょっ押さないで!!」
ペンギンはしがみついているケンタを後ろから押し、前へ行くようにアシストした
(ペキペキ……ガラガラッ‼︎)
「おい!やべぇ遂に崩れ始めたぞ!!」
「キュ‼︎」
「え?何キューちゃん?……あっ!!うん、わかった!光手の蜘蛛糸!!」
アイは何がやりたいのかを察し、光のロープを出現させると、ペンギンへと飛ばした
「キュキュキュ‼︎」
「うわぁ!!なんで縛る…痛っ!!強いッス!!」
「キュキュキュ‼︎」
ペンギンは光のロープでケンタを縛り上げるとひょいと持ち上げて橋を渡っていく
「ちょ!!怖い!!下ろしてっ!!」
「ナイスだ!キュー太郎!」
「さすがキューちゃん!
なんとか橋が崩れ落ちる前に渡り切ることができた
「…はぁ~怖かった…っス……」
「てか、これまた別々に行かないと行けない感じか?」
「そうみたい…せっかく会えたのに……」
三人の行く先には個別に扉があり、先に行かないとならないようだった
「多分また合流できるはずだ!!それまで無事でいろよ!お前ら!!」
「うん!ルイさんも!!」
「ぅう……わかったッス」
「キュキュ‼︎」
こうして三人はまたバラバラに別れ、それぞれ扉を開けて進んだ
「ふむ、魔引きに不可侵の目視、そして光手の 閃火か……《アイン》の方はやはり覚醒しているようだな」
「ん~黒沢さん!私暇なんですけどぉ~遊びに行ってきちゃダメですぅ~?」
「君は動くのは得策じゃない、じっとしているんだ」
「はぁ~い……」
暗闇の部屋で二人の男女が会話をしていた
女の子の方はぷぅっとほっぺを膨らますと不機嫌そうな態度をとってみせた
「……黒沢さん!私ちょっとお花を摘みに行ってきます♪」
「……いちいち言わなくて結構、ついでに休憩でもとってもらって構わない」
「やった~♪」
そういうと機嫌良く部屋を出て行った
「……はぁ、霧島君居るね?」
「……はい」
部屋の隅からもう一人別の男が現れた
霧島と呼ばれた青年は糸目で表情は読み辛いが、やれやれといった様子で扉の方へ向かう
「……はい、承知致しました……いえ、大丈夫です、黒沢さんは引き続きここで」
霧島は黒沢にそう伝え部屋を出て行く
「……椎名にも困ったものだ」
部屋に一人残った黒沢はモニターに目線をやり、掛けている眼鏡を直す
「……次も揺さぶってみるとしよう」
黒沢はキーボードを叩きたながらそう呟いた
「……なんだか気味が悪い」
アイは扉を抜けた先に部屋があるのを見つけた
その部屋は全面ガラス張りになっており、踏み入れると自分の姿が四方から見ることができた
だが、鏡の自分に見つめられているような……そんな感じがした
「……他の扉はないのかな?」
アイはキョロキョロ見渡すが鏡以外何もなく、入って来た扉以外、出入り口も見つからない
すると、ふと《鏡の自分と目が合った》
「…え?」
鏡の自分はニッコリ笑いかけて来た
「やぁ、《アイン》!」
アイの意識はそこで途切れた
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