表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/18

18.player

 体育館にある自室は、数字の順がバラバラになっていた。

 自室と自室の間隔や、一列の自室の個数はほとんどそろっている。

 ただ、全ての部屋を見ていると、上から見ればきれいな長方形になるはずの大量の自室は、四隅の1つが無かった。

(34番が禁止事項を犯したから?)

 そう思って探してみたが、すぐに『34』という数字が書かれた段ボールが見つかった。


「かりん。これがどうしたの?」

 わたしは、上から見れば長方形になるはずの全体の自室が長方形になっていないことだけ伝え、全ての部屋の番号を確認した。

 来夢にも手伝ってもらった。

「『1』を探してほしい。あったら教えて。」

「了解ー。」

 残り20分。

 吸血狩りの()()()()()に至るための情報が揃いつつあった。


「あったよー。」

「ありがと。次は2。」

「OK。」

 残り15分。

 量が多く、1つを見つけるだけでも多くの時間がかかってしまう。

 それでも、私は必死に探した。

 ____を願って。


「1、8、22、40__。」

「15、32、4、9__。」

 私と来夢は数字を報告しながら『2』が聞こえるのを待つ。

「「__『18』。」」

 2の部屋はなかった。

「え? なんで、2番の部屋がないの。」

「よかった。2番の部屋がなくて。」

「どうして⁉ かりん? 2番の部屋がないってことは、2番は存在しないことになるよ⁉」

「そうだよ。だって____。」

 来夢は口元を手で抑えた。それに、目を大きく見開いている。

「____だって、()()()()()()()()()()()()()」なんだもん。」

「……え?」

「右下の数字、あるじゃん。来夢は30で、私は3。」

「うん。そうだよ。」

 これは参加者全員にあった。

 奏は『18』。

 大は『19』。

 翔は『21』。

 茅は『28』。

 由利は『48』。

 茅と一緒に行動していた男の子は、『49』。

 なんとなく、出席番号みたいに、名前順で決めているんだと思っていた。

 けど、2号は番号の規則など全く言っていない。

 私たちは先入観に捕らわれていた。

「吸血鬼は『__』の数字を持つ人だよ。」

「そんなの当たり前でしょ。言われなくてもわかるよ。」

「つまり__。」

 私は体育館のステージ裏に行った。

 正確には、ステージに上ってからダンボールの方に進んだけれど。


 数字は『__』。

 私は入口を見つけると銃を構えた。

 残り5分。

 そこには人がいた。

 見た目はわからない。

 ただ、そいつは銃を取り出そうとしていた。

 すぐに銃を撃つ____。


 ____吸血鬼は倒れこんだ。

 毛布には赤黒い液体が広がる。

 敵だとわかっているからか、後ろめたさは全く感じない。

 それどころか誇らしかった。

「ゲームマスターは嫌な趣味をしてる。」

 来夢は吸血鬼の正体に唖然としている。

 それもそうだろう。

 私も最初は信じられなかった。

 わずかな可能性に賭けたようなものだったから。

「__________。」

 ピコン

 最後のメッセージ。

 私はスマホを開く。

NO.2(Nomber2)が殺害されました。』

 来夢のスマホからメッセージ音が聞こえる。

 画面を下に動かした。

 そこには、全ての終わりが書かれていた。


『全ての吸血鬼が死亡しました。勝者は狩人です。』

「よかった! 勝てたよ‼ わたしたち‼」

「うん! そうだね!」

「congratulations。 面白いものが見れたね。」

 ステージから、知らない人間の声が聞こえる。

 右目下には『00』という数字が書かれた、背が小さく、あどけない顔立ちをした女の子。私より幼く見えるが、実年齢は私より上なのだろう。

「ついに死んじゃったか。約4年間ありがと、そしてお疲れ様。ま、次会うときはミーの顔も覚えられてないだろうし、敵側になっちゃうと思うけどね。」

 女の子は天井を見上げて呟いた。

「……でも、次はこの子たちにやらせるから、安心してね。」

(……っ!)

 それってもしかして__。

 私は学校から出るためにステージに行く。

「ほら、ダメでしょ。」

 女の子は私の手をつかんでいる。

(反応速度早っ。)

「かりんにやめて。てか、ルール的にアウトじゃないの。」

「ノー、ノー。もうゲームは終わってるー。」

 その子は来夢の手首を力強く握っていた。

「っ……!」

「ユーたちにもあの子たちがやってくれた仕事をやらせてあげたいんだ。あ、もちろん強制だからね?」

 女の子は表現が大きく、私たちに顔を近づけたり、軽くステップをしたりしていた。

「ミー? ミーのことは『0号(ゼロ号)』って呼んでね‼」

 私は彼女__0号に何をされるのかがよくわかった。

 これから、私たちはどんな生活になってしまうのだろう?

「ねーねーねーねー。生き残った人が死亡判定されるのもさ、面白いと思わない?」

 やっぱりだ。私たちは、しばらくだれとも会えない生活が始まろうとしていた。

「『__。』」

 0号は友達と秘密をつくるかのように人差し指を口元に置いた。

「ここから脱出されるまで、よろしくね? っははは!」


 本当の地獄。いや__。

 __悪夢はここから始まった。




 吸血鬼……NO.2・NO.16・NO.18・NO.26・NO.48。

ついに序章終了です! 4ヶ月間、応援してくれた皆様、ありがとうございました! 面白いと思ってくださった方は、☆5評価、ブックマークしてくださると幸いです。1章は今月中に開始予定です! これからも応援よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ