14.吸血鬼
今回、「描写の仕方違くない? 小説のやり方わかってない?」と思われる方がいるかもしれません。しかし、これは故意にやっていることです。予めご了承ください。
これは、大と奏が死亡する少し前のこと。
大と奏は校庭にあるジャングルジムに座っていた。
「申し訳ないことを言うが、俺は今日死ぬだろうな。」
「なんでそんなこと言うの。まだわからないじゃん。」
「吸血鬼は経験者を1番警戒する。4回目の俺が逃げられるか。」
「じゃあ隠れて__。」
「でもそれだと、格好悪いだろ。」
奏は不機嫌そうな顔をした。
「お前はそうとは思わないだろうな。だが俺は格好悪いと思っている。少しでもほかの参加者が死に怯えないで勝ってほしい。そのサポートが俺の務めだ。」
奏の顔は、最初に会ったときと比べて緩くなっていた。
「__お前もだけどな。」
「なんでよ。」
奏はすぐに突っ込んだ。
「とにかく、『狙われない吸血鬼』はここに来る。だから待っているんだ。」
「いや……。」
奏は心配そうな顔をする。
「問題でもあるか?」
「うん。吸血鬼に仕留められる可能性を考えていないから。それに、銃を使われたら意味がないよ。A棟2階ベランダから撃つことはできそうだしね。」
ジャングルジムはA棟2階の2-3のほぼ真下にある。確かに、撃たれる可能性も踏まえた方がいいだろう。
「確かに危険だな。降りて隠れるか。」
ちょうどそのとき、2号が体育館に入っていった。
少し休みたいのだろう。一応彼女は進行人だが、同じ人間だ。人形のような顔は青白くなっていた。
「どこに行きたいとかあるか?」
「自分で狙われない吸血鬼を仕留めるって言ってたよね?」
「そうだな。探すか。」
大はやる気なのか肩を回した。
「で、どこに行きたいんだ?」
「相変わらず優柔不断すぎでしょ。これでも本当に1回仕留めたと思うと不思議に思うよ。」
「本当のことだ。かりんもそう言っていただろ。」
初めて知った。
あんなにチームを引っ張るリーダー的存在の大が優柔不断な性格だったとは。
「じゃあ、体育館に行くぞ。誰かいたときに気づかれないよう、慎重にな。」
「わかっているって。」
知らない間に仲直りしていたらしい。短気で困るものだ。
大が先頭にいて、奏は後ろや前を警戒している。見張り役になったのだろう。
奏は、やりすぎだと思えるほど体を様々なところに向けて確認している。
体育館の前に着いたとき、それは起こった。
そっと、__が__に触れたのだ。
__は振り向く。
「お前だったのか……。」
__は息遣いが荒くなっている。
「そうだよ。」
__は銃口を__に向ける。
それは__も同じだった。
もう__は殺害されて終わりのはずだ。
参加者は吸血鬼に触れられたことを参加者に伝えてはいけない。
死の直前で吸血鬼の名前をいうのも危ないはずだ。
もし禁止事項と判断されれば、__は本当に死ぬ。
そういえば、「死ぬ」と「本当に死ぬ」とは何が違うのだろうか。
2人とも、銃口を相手に向けて、撃つタイミングを見計らっている。
__は震えた手で銃を撃った。
__はドサッと倒れこむ。
そいつから、赤黒い何かが出てきた。
ピコン
『NO.18が殺害されました。』
吸血鬼は__________。
__________奏だった。
そして1分後。
今度は大が校庭に倒れこんだ。
赤黒い水たまりができる。
ピコン
『NO.19が殺害されました。』
大は弟に「殺された」。
「こんにちは。かりんです。まさかの奏が吸血鬼だったとは……。あと吸血鬼は1人ですね。次回から4日目突入です。面白いと思った方はブックマーク&星5評価してくれると0×が喜びます。」
「かりん、誰と話しているのー? あと、0×って誰? 少なくてもメタいということだけはわかるからやめなー。もう5人しかいないんだから、明日で吸血狩りが終わる可能性が高いよ。準備しとかなきゃだめだよ。」
「わかったー。じゃあ皆さん、次話でお会いしましょう! see you next time!」