俺争奪戦④
2セット目が終了した現在、俺たちがいる空き教室は少し重たい空気で満たされていた。
それもそのはず、まだ3セット目が残っているとは言え、翔蓮寺さんが3対5で負け越している状況。
2セット目の最後のターン、翔蓮寺さんと守皇さんはお互いに点を取り合い終了した。
ここから翔蓮寺さんが守皇さんに勝利するには、守皇さんの得点を全て阻止した上で、守皇さんからのお願いを全てクリアしなければならない。
つまり、翔蓮寺さんが勝つ可能性は限りなく低いということだ。
「朔ちゃん・・・。」
先程まで騒がしくしていた筈の明星さんまで大人しくなってしまっている。
そして当の翔蓮寺さんはと言うと、髪の毛で顔が隠れて俺の位置からでは表情が上手く読み取れない。
このゲームの勝敗がついて仕舞えばどちらかとは二度と近づけなくなる。
翔蓮寺さんはすぐにこの条件を飲んでしまったが、どちらが負けるにせよ本当にこんな大事なことをゲームで決めてしまって良いのだろうかと今更ながら思う。
守皇さんとはまだ何も話せていないし、翔蓮寺さんともせっかく少し距離が縮まったように感じていたのに・・・。
そこまで考えて、俺はふと自分を見つめ直す。
つい最近まで女子と関わることすら考えられなかった筈なのに俺は・・・。
「ずいぶんと大人しくなったわね。ゲームはまだ終わっていないけれど、降参でもする?」
そんな守皇さんの言葉が耳には入り、俺はふと我に帰る。
それは、守皇さんが翔蓮寺さんに向けて放った言葉だった。
「そうだね・・。本当は、3セット目までに勝負はつけるつもりだったんだけど、正直完敗かな?」
ようやく伺うことができた翔蓮寺さんの表情は少し悔しげにも見える苦笑いだった。
「あら、さっきは友達として約束は絶対に守るとかなんとか言っていたのに・・、もう諦めるの?」
「・・・・・・・・・・。」
守皇さんのあからさまな挑発にも、翔蓮寺さんは静かに見つめ返すだけだ。
「はぁ。私に大見得きってみせた時の貴方は、少なからず本気だったとおもったのだけれど・・。私の勘違いかしら?」
「まぁいいわ。じゃあ、少しやる気を出させてあげましょうか。」
「「2年の女子バスケ部の人数を当てなさい。」それが今回の私のお願いよ。」
守皇さんが余裕綽々といった感じに足を組み替えながら指示したお願いの内容は、サービス問題とも言うべき簡単なものだった。
普段、女子との交流が皆無な俺ですら他のクラスの女バス部員を思い浮かべれば正解出来そうなお願いだ。
「確か朔夜さんは中学の頃に女子バスケ部に所属していて、高校に入ってからも何度か助っ人をお願いされていた筈よね?」
「答えられない問題ではないと思うわ。」
そうだったのか。これは俺も初耳だったが、それなら尚更翔蓮寺さんが間違えることはないだろう。
「どうかな?翔蓮寺くん。」
「8人。2年の女バスの人数は8人だよ。」
「正解よ。今ので4対5、これで少しはやる気が出たんじゃない?」
翔蓮寺さんに点数を与えてなお、守皇さんは余裕の態度を崩さない。
それだけこの勝負に勝つ自信があるということなのだろう。
「さあ、次は貴方がお願いをする番よ。頑張って抗って見せなさいな。」
「やっぱりそうだ・・・・。」
「え?」
守皇さんの焚きつけるような言葉に、翔蓮寺さんは何か確信めいた表情で独り言のように呟いた。
「翔蓮寺さん、どうしました?」
「うん。ちょっとね・・。」
何かあったのかと声かけてみたが、翔蓮寺さんは守皇さんから視線を外すことなくそう答えただけだった。
「な、何よ?」
先程までの諦めに近い表情とは打って変わって、いつもの力強い瞳で視線を投げかける翔蓮寺さんに守皇さんは少したじろいだ様子を見せる。
「私、ちょっと気付いたことがあるんだけど。」
「真宵ちゃん、ワザと負けるつもりじゃないよね?」
「はぁ!?貴方何を言って・・。」
これには守皇さんだけではなく、教室にいた全員が驚きの表情を浮かべる。
常日頃から翔蓮寺さんと行動を共にしている筈の明星さんや望月さんですら頭に???が浮かんでいるのだから皆が困惑してしまっているのも真っ当な反応だろう。
「朔夜君。どうしてそう考えたのか教えて貰ってもいいかな?」
唯一、特段表情も変えることなく見守っていた神童先輩が当然とも言うべき疑問を口にした。
「だってこの流れおかしいと思わない?」
「おかしい、とは?」
「今は圧倒的に真宵ちゃんが有利な状況だよね?あと1点取るか防ぐかさえすればゲームを勝利で終えられる。」
「その上、相手はほとんど負けを認めて諦めムード。真宵ちゃんが私に勝負を申し込んだことを考えれば、ここでわざわざ私に点数を与える理由がない。」
「そう思わない?」
う〜ん、確かに・・。翔蓮寺さんの言っていることも理解は出来る。
しかし今のはどちらかと言えば、負ける為に点数を与えたというよりも、あえて点数を与えることで余裕を見せつけたように俺には見えた。
それに、守皇さんは中学の頃から割とドSだしなぁ・・・。
うん、きっとそうに違いない・・・・。
「あら。何かと思えばそんなこと?悪かったわね、少し意地悪したかっただけよ。」
ほら、やっぱり!
「本当かなぁ〜?」
「本当よ。分かったら早くお願いを言いなさいな。」
「そ?じゃあ、私もちょっと意地悪しちゃおうかな。」
翔蓮寺さんはそう言いながら椅子の背もたれにもたれかかるようにすると、サッとみんなから死角になる位置から俺の手を引っ張った。
俺はちょうど翔蓮寺さんの右斜め後ろに位置する場所に立っており、俺が彼女に引っ張られたことには誰も気付いてはいない。
どうしたんですか?いきなり。
無言で翔蓮寺さんに目線を送ってみるが、翔蓮寺さんは一瞬こちらを一瞥しただけですぐに守皇さんの方に向き直ってしまった。
しかし、その時の彼女の瞳と今なお力強く握られている俺の左手の感触から俺にだけ向けた何らかのメッセージであるのだろうことは理解することが出来た。
翔蓮寺さんは何事もなかったかのように守皇さんとの会話を続けているし、ここは何も言わずにこれから起こることを黙って見ていればいいのだろうと何となくそう思った。
翔蓮寺さんが今から何をしようとしているのかは分からないが、今の俺は翔蓮寺さんを信じると決めた俺だ。
翔蓮寺さんと硬い握手を交わしたあの時から、彼女ならもう一度信じてみてもいいのではないか。
いや俺自身が信じたいと思ってしまっている。
翔蓮寺さんならきっと大丈夫。
そうして、俺は俺の手を力強く握る彼女の右手を同じくらい力強く握り返した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「へぇ、意地悪ねぇ。まぁ、さっきよりはマシな顔付きになったようだし、何でもどうぞ?」
「そ?じゃあ、遠慮なく。私のお願いは、「源之助くんにキスをする」で。」
朔夜が平然と言ってのけたその言葉に真宵は一瞬理解出来ずに固まった。
「わ、私の聞き間違いかしら・・?貴方、今なんといったの?」
「だから、源之助くんにキスしてって言ったの。」
もう一度何食わぬ顔で繰り返した朔夜に、今まで勝負に口を出すことのなかった神童灯凪が口をはさむ。
「朔夜君それは・・・。」
「貴方、自分が何を言ってるか分かってるの?」
灯凪の言葉にかぶせるように発せられた真宵のその声には、明らかな戸惑いの色が見えていた。
「分かってるよ。真宵ちゃんは、源之助くんと「キス」したかったんだよね?これなら目的も達成できるし、点数を取って勝負にも勝てる。一石二鳥じゃない?」
「それにこのお願いはルールにも反してない。そうでしょ、会長さん?」
「それはそうだが・・。」
確かにルールには反していない。しかし、それはそれとしてこのお願いを認めてしまっていいのかと考えあぐねている。灯凪はそういう表情をしていた。
それに当事者であるはずの源之助が、黙って静観していることも灯凪が考えあぐねている一つの要因だった。
「勝ちたいならやらない手はないんじゃない?真宵ちゃん。」
「それは・・・。」
真宵が選択を迫られる中、この状況に憤り感じる者がもう一人いた。
「何言ってるんだ、いいわけないだろ。そんなの絶対にさせない!」
怒りをにじませる表情で立ち上がったのは、この勝負を観客として見ていた速水葵だ。
「源之助の意志を無視して無理やりキスさせるなんて、僕は絶対に許さないぞ!」
まだ声変わりも始まっていないような高い声ではあるが、葵の怒りは十分に伝わってくる。
「そ、そうだそうだ!よく言ったぞ葵!俺もおんなじ気持ちだぞ!」
「拓実・・。」
葵の言葉を聞いて、山田拓実も同じように立ち上がる。
「そうだよな、葵。源之助ばっかり良い思いして許せねぇよな!もっと言ってやれ!」
「はぁ?」
「え?」
「違うよ、バカ!もう、アホの拓実はだまってて!」
「うげッ!」
拓実は本日2度目のみぞおち腹パンを食らいそのまま崩れ落ちた。
「と、とにかく、僕はこんなの認めないからな!」
葵は源之助をゲームから離脱させるため、源之助のもとへ向かおうとする。
「瑞希。栞。」
すると朔夜は葵たちの隣で座っていた明星瑞希と望月栞の2人の名前を呼び、軽く目配せをする。
この一瞬で一体どんなやり取りがなされたのか、二人は「はいよ。」と短く返事をすると葵をなだめるように席に座らせた。
「な、なんだよ。」
「まぁまぁ、ちょっと落ち着きなよ速水くん。」
「ごめんね。気持ちはわかるけどあの子も何か考えがあってのことだと思うからさ。もうちょっと我慢してやってくんないかな?」
「でも!」
「大丈夫。あの子も本気で源之助君とキスさせようなんて思ってないよ。」
栞が耳元でそう囁くと、葵も不満気な顔はしているものの何とか落ち着いたようだ。
「さ、どうする?真宵ちゃん。」
「・・・・・。やらない。そのお願いは拒否するわ。」
少し押し黙った後、真宵はきっぱりとそう言った。
彼女の言葉に教室にいた皆は、内心ホッと胸をなでおろす。
まさかしないだろうとは考えていたものの、今までの真宵の行動を鑑みると迷いなくしていてもおかしくないと皆が思っていたのだ。
「意外、しなくてよかったの?」
「見くびらないで。無理やりしたキスに価値なんてないもの。どうせするなら源之助からでないと意味ないわ。」
「まあ、真宵ちゃんはそうだよね~。」
「ふん。思惑どうりでよかったわね?」
「ん~?なんのこと?」
「白々しい。」
真宵は不満そうな顔をしているものの、これにて3セット1ターン目が終了した。
点数は朔夜が1点を取り返し4-5、引き続き朔夜の劣勢は続いている。
次の3セット2ターン目、真宵が出したお願いは「〇×ゲーム」。真宵の提案で真宵が先行をとる代わりに引き分けの場合も朔夜に1点を与えるというルールを追加し、開始した。
結果、勝利はできなかったものの何とか引き分けに終わり、朔夜が1点を獲得することに成功した。
「じゃ、次は私の番だね。」
〇×ゲームを終え、軽く伸びをしながら朔夜は言う。特に考えるような素振りがなかったことを考えるとあらかじめするお願いは決めているようだ。
「私のはさっきと同じ。「源之助くんにキスする」で。」
朔夜のお願いの内容にまたしても教室内に緊張が走る。
「貴方、ふざけてるの?いい加減にしなさい!」
1回目の動揺していた様子とは打って変わり、真宵は怒りのこもった表情で机をドンッと叩き立ち上がる。
それもそのはず、如何に真宵が達成できなかったお願いとはいえ、内容が内容なだけに2度もこのお願いを提案するのは少々度が過ぎている。
実際、葵が同じように怒りの表情で立ち上がろうとするのを瑞希と栞で止めていたくらいだ。
「こんなお願いを2回もして、一体どいうつもり?」
「どうもこうも私は真宵ちゃんと真剣に勝負がしたいだけだよ。」
「はぁ?」
真宵がにらみつける中でも、朔夜は真剣な表情を崩すことなく見つめ返している。
どうやら、本当にふざけているわけではないようだ。
「言ってる意味が分からないわ。」
「いや、分かってるはずだよ真宵ちゃん。だってあなたは今も変わらずにこの勝負に負けるように立ち回ってる。」
朔夜の言葉を受けた真宵は驚くように大きく目を見開く。
「あきれた・・。まだそんなこと言ってるの?さっきも言ったでしょう?少し意地悪がしたくなっただけ。」
「それに、私の目的は知ってるでしょ。負けたらなんの意味もないじゃない!」
「そう、そこだよ。私が疑問に思ってるのは。」
朔夜は何かを思い出すように言葉を続ける。
「私が初めて真宵ちゃんと話した日、真宵ちゃんは驚くほど自信に満ち溢れてた。」
「源之助くんは自分のものだって疑ってないみたいに。」
「でも、今日の真宵ちゃんは違う。何か別の覚悟を持ってここに立ってる、違う?」
真宵の表情から怒りのそれが消えるのと同時に、平静を保つように朔夜から視線を外した。
「ふん。貴方に私の何がわかるっていうの?」
「実は私、さっきの1回目のお願いで真宵ちゃんがどんな反応をするのか観察してたんだよね。」
「私が「しなくてよかったの?」って聞いたとき、真宵ちゃん何て言ったか覚えてる?」
少し考えるような仕草をした後、真宵はすぐに答えた。
「「無理やりしたキスに意味なんてない」って言ったわ。それが何か?」
「そう真宵ちゃんは「無理やりしたキス」って言ったの。それってまるで、源之助くんが真宵ちゃんとのキスを望んでいないって思ってるみたいじゃない?」
その時、確信を突かれたように真宵の両の目が激しく泳いだ。
「少なくともあの時の真宵ちゃんからは想像できない言葉だった。ここ数日で真宵ちゃんの心境が変化する何かがあったじゃないかと私は思ってる。」
「仮にそうだとして!私がわざと負けようとしている証拠にはならないわ。」
「まぁ、そうだよね。でも、私がそう思うのにはもう一つ理由があるの。」
そう言って、朔夜が話し始めたのは2セット目でのことだった。
「私が最初に違和感を持ったのは2セット3ターン目で真宵ちゃんがしたお願い。」
2セット3ターン目といえば、朔夜が真宵の策略にはまり−1点になってしまった次のターンだ。
スコアは2 - 4の真宵が優勢な状況で彼女がしたお願いは、「桔梗の花言葉を答える。」というものだった。
真宵がこのお願いをした時、また難しいお願いをするものだと教室の皆が思った。
なぜなら、花を日頃から嗜んでいる人でもない限り、花言葉など知る機会はあまりないだろうし。ましてや、ギャルである朔夜には縁遠いものだろうと思っていたからだ。
「確か・・、「誠実」「気品」だったかな?」
「へぇ〜、よく知っていたものね。正解よ。」
しかし、朔夜は意外にもサラッと回答し1点を獲得していた。
「この時、正直自分でも驚いてたんだよね。なんで私こんなこと知ってんだろうって。」
「でね?真宵ちゃんを疑い始めた時、一つ思い出したことがあったの。」
「あ、私1年の前期で美化委員やってたじゃん!って。」
翔星高校の美化委員の仕事には校庭の花壇の世話をするという仕事も含まれており、その花壇にはそれぞれの花の名前と花言葉が書かれたプレートが丁寧に貼られていた。
「うちの校庭には桔梗の花がしっかり植えられてるし、真宵ちゃんが会長さんが認めるような優秀な副会長なら、会長さんと同じように私がどこの委員に所属していて、どこの花壇を担当していたのかなんてことは当然頭に入ってたんじゃないの?」
「・・・・・・・・。」
朔夜の問いに真宵は答えない。
「さっきの〇×ゲームだってそう。真宵ちゃんは先行をとる代わりに引き分けでも私が勝つルールに変更した。一見、平等に見えるけどそうじゃない。」
「〇×ゲームは、お互いに最善手をとり続けると絶対に引き分けになるゲーム。確かに、手加減をしたわけじゃないんだろうけど最初から勝負は決まってた。」
「まだ、続ける?」
朔夜を睨みつける真宵を、朔夜はただまっすぐに見据える。
数秒見つめあった後、真宵はパッと視線を切ると静かに椅子に腰を降ろした。
「すべて貴方の推測の域を出ない話である上に、動機も乏しい。よって、これ以上の議論をするに値しないわ。」
「とにかく。私は貴方のお願いを拒否するわ。さっさと最後のターンに移りましょう。」
「真宵ちゃん!」
朔夜は身を乗り出しながら真宵の名を呼ぶが、真宵はもうこれ以上対話をする気が無いようだ。
「私のお願いは、「数取りゲームに勝利すること」よ。」
「ルールは知ってるでしょう?交互に数字を数えていって20まで数える。一人が数えられる数字は3つまでで、20を数えてしまった方が負けよ。」
「まだ話はッ!」
「ルール追加として数字を数えるのに30秒の制限時間をつけさせてもらうわ。30秒を過ぎた時点で即負けになるから気を付けて。」
「1、2。さあ、私は数えたわよ。貴方だって勝負に負けるわけにはいかないでしょう。30秒なんてすぐに経ってしまうわよ?」
「ッ!3。」
真宵は朔夜の言葉には耳を貸さず、無理やりゲームを開始させてしまう。
「4、5。」
「6、7。」
その後もお互いに数を数えていき、ついに決着の時を迎えた。
「18、19。」
「20。」
最終的に20という数字を数えたのは、やはりと言うべきか真宵の方だった。
「流石ね、朔夜さん。このゲームは計算式に当てはめて数えてはいけない数字さえ導き出せば、絶対に勝てるゲームだと分かってたみたいね。」
「最初の4を数えさせれば勝てたのに、わざとそうしなかったのは真宵ちゃんでしょ?」
「そんなことより今の言葉・・、認めたってことでいいの?」
「さあ?この勝負も残るところ貴方の「お願い」だけよ。どうせ勝つ以外、道はないのだからそんなこと考えるだけ無駄でしょう。」
次の朔夜のお願いで点数を取って延長に持ち込まなければ負けてしまうというこの状況で焦った様子もなく、先ほどの認めたともとれる発言、いよいよ朔夜の疑いも真実味を帯びてきたようだ。
「ま、あくまで認めないよね。じゃあ、勝負の決着をつける前に真宵ちゃん解決編ってのはどう?さっき動機が乏しいとか言われちゃったし?」
「探偵みたいに推理でも披露するつもりかしら?言ったでしょ、貴方に負ける気がないのならそんなことにはなんの意味もないの。」
「私、相手に手を抜かれて勝つなんて納得できないんだよね。本気の真宵ちゃんに勝たないと気が済まない。それが私だから。」
「それに、私にはなくても源之助くんがそれを知ることには意味がある。でしょ?」
真宵は自分をまっすぐに見つめる源之助と一瞬目が合い、そっと目を逸らした。
翔蓮寺朔夜 6 ー 5 守皇真宵
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
瑞希「〇×ゲームが絶対引き分けになるゲームで、数取りゲームが計算すれば絶対負けないゲーム・・・。」
「しおりん、意味わかった?」
栞 「分からん。」(真顔)
拓実「あ、葵くん・・?ずっと、足踏んでるよ・・?」
葵 「・・・・・。」(無視)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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