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翔蓮寺朔夜に逆らえない

 関わりたいギャルと関わりたくない男子のドタバタラブコメディです!!

 良ければ見てってください!!


「ねぇ、ちょっといい?」



「え…、俺っすか…?」



 来た…、今日も来てしまった…。



「そう。君に、言ってる。」



「で、ですよねぇ〜…。俺っすよねぇ〜…。あはははは…。」



 願わくば俺に声をかけたのではないと言って欲しかったが、どうやら事はそう上手くいかないらしい。

 


 そう、今日もやって来たのだ、、。



 俺の目の前で妖艶な笑みを浮かべながら立ちはだかるこの完璧美少女ギャル、翔蓮寺(しょうれんじ)朔夜(さくや)にイジ(メ)られるこの放課後の時間が…。



「ねぇねぇ、朝日(あさひ)源之助(げんのすけ)くん。君、今日も暇だよね?」



「あ、いやぁ…。俺、今日は家に帰って筋トレするつもりだったんすけど…。」



 俺こと朝日源之助は、少し背が高いだけのどこにでもいる平凡男子高校生だ。趣味は筋トレ。

 いつも祖父がやっている剣道場で筋トレをしつつ、剣道も嗜んでいる。



 学校ではあまり目立たないタイプで、友達もそれなり…。

 高校生活を謳歌しているかと言われれば微妙なところだが、それでも自分なりに楽しく高校生活を送れているつもりだ。



 しかし、2年生になった今年から俺の高校生活には少し暗雲が立ち込めつつある。



「ふふッ!人はそれを暇って言うんだよ?言い訳が下手だなぁ、君は。」



 そう言って彼女はからかうように笑う。

 ダメだ。どうやら俺は今日も真っ直ぐ家に帰れそうにない。



 そう、暗雲の正体は正しくこの小悪魔のようなギャルのせいである。



 小悪魔こと翔蓮寺朔夜は、この学校では知らない者はいないだろうという程の人気者である。



 ショートカットの髪を銀髪に染め、学校指定の制服をオシャレに着崩し、その整った綺麗な顔とモデルと見紛うほどのスラッとした体型で男女問わず絶大な人気を博している。



 性格はクールで、そつなくなんでもこなしてしまうタイプ。

 これは大人びた見た目も大いに関係しているだろうが、彼女の所作一つ一つには普通のJKとは一線を画す、何とも言えない色気がある。



 とまぁ、こんな彼女だからいつも行動を共にしている2人のギャルと共にいわゆるスクールカーストのトップに君臨しているのだ。



「ぐっ!俺にとっては筋トレは趣味っすから、結構重要な用事なんすけど!」



「趣味なのは知ってるよ?でも、その趣味は私との時間を削ってまでやらなきゃいけないことかな?趣味と私、君はどっちが大事なの?」



 そして、問題はここからだ。彼女は最近、放課後になるといつもこうして並の男子なら勘違いしてしまいそうな言い回しで俺を揶揄ってくる。



 え?なんだ自慢かよ…、だって!?



 もしこれが自慢に聞こえるならそれは大きな間違いだ!何故なら…、俺は女性という生き物が大の苦手だからだッ!



 特にこの陽キャに分類される女子、その中でもギャルなどというのはもう一番の天敵だ。



 何がと言われれば難しいところがあるが、とにかく恐いのだ。



 未知の生物が目の前に現れたことを想像して欲しい。

 近づいても平気か、どのように接すればいいのか、自分の行動が気に触ったりしないだろうか、怒らせてしまわないか。考えれば考える程分からなくなり、いつの間にか苦手意識が芽生え、敬語という言葉の壁を作るようになった。



 そんな中で現れたのがこの翔蓮寺朔夜だ。よりにもよって一番関わりたくないタイプの女子が、どういう理由か放課後に話かけてくるようになった。



 初めはカツアゲでもされるのかとビビったものだが、どうやらそうではないらしい。



 しかし、女性が苦手な俺にとっては何を企んでいるのか分からないこともあり、楽しい高校生活に立ち込める一つの暗雲になっているのである。



「ぐぬぬぬ…、いいっすか…?自分は翔蓮寺さんとの時間を削りたいとかではなくですね、筋トレっつうものは奥が深いものでして…。」



「習慣化するのが大事なんです!毎日、同じ時間に同じ回数こなすことで筋肉に覚えさすっつうかですね?俺は、そこんとこを大事にしたいんすよッ!」



「ふ〜ん、今日は粘るねー。生意気…。私が分からないことで捲し立てて、何とか逃げおおせようって魂胆でしょ?」



「い、いや、そんなつもりは…。」



そして、この翔蓮寺朔夜にはもう一つ厄介なところがある…。



「ううん、あるよ…。私がこんなにお願いしてるのに…。そんなに私と一緒にいるのがいや…?」



「い、嫌とかそういうのでは・・・!」



 彼女は自分より背の高い俺を上目遣いに見上げて、その潤んだ瞳を向けてくる。



「じゃあ、なんで遊んでくれないの?」



「い、いや…、それは、その・・・。」



 彼女は更にその白く綺麗な両手で、俺の両の手をそっと握り、彼女の胸の位置あたりまでゆっくりと引き上げていく。



「やっぱり、私より趣味の方が大事なんだ…?」



「だ、だから…、あの・・・。」



 両手が胸の位置あたりまでくると、彼女はそのしなやかな細い指を一つ一つ、俺の指に絡ませていく。



 ついに、彼女と俺の両手はしっかりと恋人繋ぎのようにして握られる。



 窓から差し込む夕陽が彼女の綺麗な顔を照らし、少し赤く染まっていた頬をより引き立たせていく。



「源之助くんのいじわる…。」



「ぐはッ!!!」



可愛い過ぎんだろぉぉぉお!!?!!!!



 そう、この翔蓮寺朔夜のもう一つの厄介なところとは、顔、スタイル、言動、その全てに置いて俺のどタイプ、どストライクをドンピシャで突いてくるところであるッ!!!!



 キリッとした切長の目に鼻筋も通った綺麗系お姉さんタイプの顔も。



 女子にしては少し高めの身長と大き過ぎず小さ過ぎない程よい胸部装甲、それでいてキュッとしまった腰と引き締まったヒップのスタイルも。



 俺の前で時折り見せる悪戯っぽい性格も。



 少し低めの、それでいて艶やかで透き通った声も。



 自分の武器をよく理解し、男子を手玉に取るような言動も。



 翔蓮寺朔夜のその全てがあまりにも俺のどタイプ、どストライク過ぎるのだ!



 「わ、分かったっすよ…。いくらでも付き合いますんで、勘弁してください…!」



 それ故にこの俺、朝日源之助は、 



 翔蓮寺朔夜(しょうれんじさくや)に逆らえない



「やった。よし、それじゃあ何しよっか?」



 相変わらず彼女の変わり身の早さには舌を巻く。

 絡めていた両の手をパッと離し、潤んでいた瞳も、赤らんでいた筈の頬も、何事も無かったかのように元に戻っている。



 彼女にしてみれば、チョロい陰キャくんを少し揶揄ってやった程度のことなのだろう。



「え…、なんかやりたいことあったから誘ったんじゃ・・・。」



「そう言われれば、何するか決める前に誘っちゃった…。」テヘッ



「ええぇ〜…。」



 全く我ながら情けない、ペロッと舌をだして笑う彼女を見て、文句を言うでもなくつられて笑ってしまっているのだから。



 これからも彼女に逆らえない日々が続くのだろうかと思うと先が思いやられる。



「ほら、ぼーっとしてないで行くよ?源之助くん?」



「分かりましたから、引っ張らないでくださいよ!翔蓮寺さんッ!」



 これは、関わりたいギャルと関わりたくない男子の逆らえない日常の物語である。




読んで頂きありがとうございました!


これは朔夜ちゃんに逆らえない!!と思った方は、評価・コメント等、よろしくお願いします!!




 

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