時を止めた蝶
蝶は飛ぶ。止まった時間の中を。
蝶は、誰かの夢の中から出てきた存在。つまり、その誰か自身が蝶になって空を飛んでいるのだ。
人も車も、犬猫、鳥、虫まで止まっている。風も、動きを止めている、火も水も。
なぜ、蝶は時間を止められるのか?太陽系の宇宙を司る神と、全く同じ精神の部分があって、超能力もあるからだ。それで、人間の体は寝て、ストップしている。元は人間というのも、普通の蝶と違う存在という意味になるだろう。夢の中から、現実の世界へと現れ、実体化している。
蝶になって、時の流れを止める。なぜ、こんなことをしているのだろう、その人は、といった疑問が出るだろう。
それは、その人は人間ですべきことがあるのだ。それには、簡単に解決するには、困難さがある問題なので、現実逃避をしたくなった。
だが、人間である自分にそんな時間はない。だから、わざわざ蝶に姿を変え、ただ野を飛んでいるという状態に身を置いたのだ。つまり、人間の姿では、時間を止める力は使えなかったということだ。
この超能力は結構、体力を使う力なので、そう長くは出来ないだろう。
それでも、この力を使って、心が回復したのなら行った意味はあるだろう。
逃避したくなるぐらい踏ん張って取り組んだ問題と、回復した状態で向き合えるんであれば。
終
たまには、そんなこと出来るんであれば、したくなったりするかもね。