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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

これが、罰だと言うのなら

作者: どんC
掲載日:2018/03/11

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 これが罰だと言うのなら私は、一体どんな罪を犯したというのでしょうか?


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 ピチョーンピチョーン


 天井から水が、滴る。

 私は、毛布を体に巻き付け寒さを防ぎため息をついた。

 牢の半分も水溜まりが、占拠している。

 地下にある牢屋は、窓もないから日も差さない。だから今が、夜なのか昼なのか解らない。錆びた鎖に吊るされた粗末なベッドに丸まる。


 回りの壁は、冷たい石で囲まれている。鉄の扉は、一つだけ。

 時々罪人らしい呻き声や泣き声ガンガンと扉を叩く音が、聞こえる。


 私の名前は、サリナ・ガルシエ男爵令嬢。そう貴族よ。

 あ…元貴族よ。


 グー


 お腹が、すいた。

 本来なら学園の卒業パーティーでご馳走を食べているはずなんだけど……

 今は、城の地下にある牢屋の中にいるの。

 ああ…テーブルに並べられたご馳走の数々。

 こんなことなら一口でも食べておくんだった。


 それにしてもどれぐらい時間が、経ったのでしょう。

 一時間?二時間?三時間?

 ずいぶん経った様な気もするけど、三十分も経ってないのかも知れない。


 ああ…うるさい。

 また牢屋番が、喚いている。

 あの男は、私を罵り殴り蹴飛ばす。

 何故私が、こんな目に会わねばならないの?

 ここを出たら皇太子様に言いつけてあの牢番の首をはねてもらうわ。



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ねぇ。知ってる?」

「何を?」

「魔女の塔の話」

「ん~何でも皇太子と婚約していた貴族令嬢が、無実の罪を着せられ塔の地下に閉じ込められたのよね~でもあり得ないわ~」

「そうあり得ない。高々男爵令嬢を虐めたからって~無いわ~だってその男爵令嬢は、勇者でも聖女でも何か国に貢献した訳でも無いのよね~」

「まあ良くて愛人か側室に成れればいいほうね。国母?ふざけてるの?どんなお花畑の頭してんの?」

「脳ミソ腐ってたんじゃない?」

「そうそう伯爵令嬢は、どうなったんだっけ?」

「なんでも数人の牢番に乱暴されて自殺したんだっけ?」

「男爵令嬢に買収された牢番に殺されたんだっけ?」

「隣の国の結婚式に出ていた王様とお妃様と彼女の父親が、帰ってきて大騒ぎ全ての悪事が、バレて皇太子は、廃摘男爵令嬢は、辺境の売買宿に売り飛ばされたんだよね~」

「あら…でも私もう一つの話知っているわ」

「えっ?そうなの?どんな話?」

「何でも皇太子と男爵令嬢は、伯爵令嬢が、入れられた地下牢に入れられて入り口は、塞がれ永久の呪いをかけられたそうよ」

「どんな呪い?」

「伯爵令嬢が、死んだ時間に化け物が、現れ二人を八つ裂きにするんだってでも朝になると二人は、生き返り死ぬことは、無いって言う。永久の呪い」

「まあ♥恐い恐いまるで地獄ね」

「生きながら地獄に落とされたのねぇ~」

「大昔の魔術は、かなりエグイ物が、あったらしいわね。亡くなった伯爵令嬢のお父様は、大魔導師で王様だって逆らえ無かったらしいわ」

「身の程を知れって事ね」

「ある意味死は、慈悲ね。死ねないなんて地獄ね。これ程の怒りを買うなんて恋は、盲目~」

「でも二人は、ある意味幸せじゃない。愛する人と一緒にいられて」

「それが、本当の愛ならね」

「違うの?」

「男爵令嬢は、魅了の魔法を使ったらしいわ」

「魅了!!馬鹿じゃないの!!魅了が、解けた時倍返しの憎しみに変わるわ‼」

「だから男爵令嬢は、昼は、皇太子に拷問され夜は、化け物に八つ裂きにされる事になったそうよ」

「生半可な覚悟で人の婚約者に手を出すもんじゃないわね」

「恐いのは、永久の地獄?」

「いいえ仕上がらない写生よ」

「こら‼お前達‼お喋りばかりしてないで手を動かせ‼今週中に仕上げないと赤点だぞ‼」

 美術の先生が、二人の後ろで怒鳴る。

「私は、永久の呪いより赤点の方が、恐いわ」

 二人の少女は、クスクス笑ながらスケッチの中に描かれている森の中の塔を塗る。



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 その男は、血走った目で、私を睨み付ける。

「お前のせいで…お前のせいで…」

 かって私に愛を囁いた唇から漏れるのは、呪いの言葉。

 かって私の髪を一房とり口付けた唇から零れるのは、罵声。

 私の頬を優しく撫でた手は、私を殴る。

 軽やかに私の元に駆けてきた足は、私を踏みつける。

 いつ終わるか解らない暴力は、続き。


 夜が、来る。


 ピチョーンピチョーン

 血だまりの中から化け物が、現れた。

 化け物には、たくさんの手が、ぶよぶよの体から生えていた。

 化け物には、たくさんの足が、ぶよぶよの体から生えていた。

 化け物には、たくさん顔が、あちらこちらに生えていた。

 その顔は、お父様やお母様や取り巻きの顔や牢番の顔に似ていた。


 化け物は、直ぐに皇太子を食い殺す。


 男の肉は、あまり好きじゃ無いみたいだ。


 化け物は、一晩中私をゆっくり味わいながら食べる。


 痛い‼痛い‼痛い‼痛い‼


 泣こうが、わめこうが、化け物はお構い無しに私を食べる‼



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 これが、罰だと言うのなら


 私は、どんな罪を犯したと言うのだろう。


 それは、こんな地獄をうむことなの?


 誰か……誰か……答えて………





                 ~ Fin ~







最後までお読みいただきありがとうございます。

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