誰か代わってくれないかな~?
イラストはウナムムル様よりいただきました(^^♪
あと、何枚残っているだろう?
被害者の遺品のDVD、中身をすべて確認しろという作業命令をこなすのは、実はとっても根気がいる。
他にもしなければならない仕事が山ほどあるというのに。
和泉は隙間時間を見つけては、ちまちまと中身を確認していた。
段々、ウンザリして来た。
どうせ行きずりの強盗なんだから、その内防犯カメラの解析が終われば、犯人なんてすぐに捕まるよ……。
などと、他人事のように考えつつソフトをデッキにさしこむと、いつものように製作会社のロゴが出てきた。
そうかと思うと、たいていは他のアニメ作品のCMが入っているのに、急にいわゆる【砂の嵐】があらわれた。
ザーザー、と耳障りな音がしばらく流れる。
壊れてるのかな……?
なんとなく胸騒ぎがする。和泉は辛抱して、続きをじっと待った。
しばらくして。
ちらり、と人物が画面に映し出される。
和服姿の女性。
素人が映したのであろう。画面が随分と揺れている。それでも、どこかの和室だと言うことだけはわかった。
音声が聞こえてくる。
『お母さん、待って……!! お母さん……!!』
どこかで聞いた声だ。低いのか高いのか、やや判別しにくい中性的な声。
『問答無用!!』
厳しい声で言い放つ、中年女性の声。
『でも、それじゃあまりにも……』
思い出した。
声の主はあの白鴎館という旅館の若旦那だ。
『……とにかく、今後一切出入り禁止よ!!』
カメラの視点が切り替わり、人物の顔がアップになる。
『うちはね、平安時代から続く名のある家柄なの。あんたみたいなヤクザ者に出入りされるのなんて迷惑千万だわ!!』
はっきりと顔がわかる。
白髪頭からいって年齢はおよそ60代から70代。
一重まぶたに、やや薄い眉。
低めの鼻筋に厚めの唇。
身体全体は比較的ふっくらとしており、顎と首の境目がやや曖昧だ。
『平成の世に、そんなのは時代錯誤だよ!!』
『お黙り!! 元はと言えば、あんたがこんな男を連れ込んで……ああ、汚らしいったらないわ!!』
女性の声が段々とヒステリックになっていく。
『その上、例の噂は本当なの?! 冗談じゃないわ!! たとえ噂でもそんな話……今すぐに撤去して頂戴!!』
『お母さん。彼は僕と、この旅館のためを思って……それに……』
『あんたは黙ってて!! とにかく、例のことをバラされたくなかったら、この家……いいえ、この島にも二度と足を踏み入れたりしないでちょうだい!! いいわね?!』
突然、画面が暗転する。
しかし音声だけは残っていた。
何かがぶつかりあい、壊れるような音。そして悲鳴と怒号。
そこで画像は途切れてしまった。
画面は再び砂嵐と化す。
なんだ、これは……?
和泉は急いでキーを叩き、動画に映っていた女性の身元を調べた。




