表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/303

知った顔を見ると安心できるって、ほんとだな。

イラストはウナムムル様よりいただきました。

【あぶない刑事】をイメージされたそうです(^o^)

挿絵(By みてみん)

 まさか、こんなことになるなんて。


 遺体を一目見てすぐにわかった。

 鶏ガラだ、と。


 友永は自分では冷静でいるつもりだったが、思いの外ダメージは大きかったようだ。


 テレビや小説で、若い刑事が遺体を見て吐き気を催すという場面を見聞きするが、あれは大げさな演出なんかじゃない。


 死体を見るのは初めてじゃないが、本当に吐きそうになった。


 ましてそれが知っている顔ならなおのことだ。


 相棒は無言でこちらを見ている。

 なんと声をかけていいのかわからないのではなく、彼は元々しゃべらない。


「……心配すんな、大丈夫だ」

「とても、そういうふうには見えませんが……」


 こんなことならもう少し、丁寧に接してやればよかった。


 今さら遅いが。


 だとしたら、いま自分がするべきことは、真相を明らかにすることだけだ。


 この町は生活安全課にいた頃から何度も来ているから、もはや路地裏まで知り尽くしている。檀家も何人かいる。


 誰か事件を目撃していないだろうか。


 期待を込めて友永が携帯電話を握った時だ。


「あ、修ちゃん!! 修ちゃんじゃないの!!」

 向かいから女性の声がした。


 顔を上げると、よく見知った相手だった。


「もう~! 最近、全然お店来てくれないじゃん!!


 源氏名を志乃、という女性は昔、友永が生活安全課にいた頃、売春やそれに類することで何度か補導し、顔馴染みになった相手である。


 彼女は現在、この町の高級クラブでホステスをしている。


 だって接客業が好きなんだもん、と本人いわくである。

 友永も特に止めなかった。


 その代わり、情報提供者として協力してもらう約束はしている。


 化粧をしておらず、いつものドレス姿ではない彼女を見るのは初めてだったので、しばらく誰だったかわからなかった。


「わりぃな。俺も、何かと忙しくって……」


「どうしたの? 顔色悪いよ」

 志乃はこちらの顔を覗きこむ。


 そんなに表に出ていたのか。


「あ、わかった! 他の安いお店で安いお酒飲んだんでしょ? もぅ、だからうちのお店に来てって言ってるのに。修ちゃんなら割引するんだからね!!」

 いつもなら軽口の一言ぐらい出るのに、今はそんな気になれない。


 彼女もそのことに気付いたようだ。


「……ねぇ、少しウチに寄っていかない?」


「さっき店閉めたばっかりだろうが……?」


 正直、ありがたいと思った。いっそのこと吐いてしまえば楽になれる。


「そうじゃないよ、私のお家!」

 そう言えば彼女はこの近所に部屋を借りているのだった。


「そっちの、ロボットみたいな刑事さんも一緒に」


 そう名指しされた駿河はやはり無表情のまま、一緒についてきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ