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ストレートティー(HOT)

作者: らい

「で!最近どうなのあの子とは!?」


私はわくわくした目でMを見つめた。





ーーーーMとは高校の同級生。

仲良くなったのは高校を卒業してからだった。

共通の友達を交えての飲み会で仲良くなり

私たちは何故かすぐに意気投合した。

そして今では貴重な男友達になり、

暇な時はよくこうして二人で会っている。

居酒屋でだらだらどうでもいい話をする時もあれば

名前の怪しいラーメン屋さんにノリで食べに行ってみたり。(思いの外、絶品だった。笑)

終電を逃したMをほぼ運転初心者の私が震えながら迎えに行った事もあった。

お互い気を使わないし自由で、何でも話せる存在。

二人でいるといつもくっだらない事で笑いが絶えない。


そんなMに誘われて今日は【真夜中からの朝までドライブ】に付き合ってあげてる最中なわけです。ーーーーーー






「俺、あいつの事追うのはもうやめるから。」


突然のMの宣言に、思わず間抜けな声が漏れる。


「ほぇ!!!???え、どうした?」


Mにはずっとずっと好きな女の子がいた。

高校の同級生らしく、私も顔と名前位は知ってる。

この事は前に二人で飲んでる時にこっそり教えてくれた。

だからこうして会う時にはいつもその子の相談を受けていた。

なかなかいい感じだったはずなんだけどなぁ。

いきなりどうしちゃったんだろうか。



ハンドルを握り真っ直ぐ前を見据えて黙り込むMの横顔に思わず釘付けになる。

何とも言えない表情。

こりゃあ、やばいなぁ。重傷かも。


「彼氏が、出来ちゃったとか?」

「違うよ。」

「振られ、、、たの?」

「違うよ。」

「何か言われたとか?」

「違うんだなぁ。」

「じゃあどうして...?」


「俺の事は友達としてしか見てないんだと思う。

俺はずっとあの子だけが好きだったけど

それでもどうにもならないこともあるんだよ。」


Mはニッと笑って言った。

寂しそうに笑うなよ。


「疲れちゃったの?片思い。」

「そんなとこかなぁ。何年も追ってるけど

もうダメなもんはダメなんだろうなって。」


あー、いたたまれない。

Mがどんな思いでその子を見てきたか、相談を受けていた私は少なからず分かっているつもりだ。

随分と長い片思いだったようなのだ、年単位の。

デートも沢山してたし、電話もよくしていた。

相手の子も満更でも無さそうな雰囲気だったし、

話を聞く度いつになったら付き合うのだろうかと思っていた。


ーーーーーーー他人の恋の終わりに直面した時、私には「それでいいの?まだまだ頑張れ」と背中を押す様な残酷な真似は出来ない。だからといって「もうさ、次にいこう」なんて安っぽい言葉をわざとらしく、明るく、投げかけるのも嫌だ。

本人がこの結論に辿り着くまでに、一体どれだけの感情と戦い、悩み抜いた答えなのかなんて想像もつかないから。私の想像の千倍は傷付いてるし強がっている。

きっと、感情を失くそうと心を一度殺してる。ーーーーー




Mが私を迎えに来る前に買っておいてくれた温かいストレートティーを一口飲む。あぁ、ちょっとぬるくなっちゃった。「そっか。Mが決めた事なら。」と短く答えてストレートティーのラベルに視線を落とす。



「うん、色々相談乗ってくれてありがとな。」

無駄な詮索をしない事に安心したような感じだ。


海の見える公園で車を停める。

時刻は夜中の3時。


「よし、今日は朝日見てから帰るかーーー!」

「それ、大賛成!!!!」


二人していつも通り、ワーワーはしゃいだ後に

運転疲れた、とMはシートを倒して眠ってしまった。

私も真似をしてシートを倒して横になる。

ーーーあぁ、つられて眠ってしまいそう。





ーーーーZzzzーーーーー






右腕の痺れで目が覚めた。

自分の二の腕が余りに気持ち良くて枕代わりに寝ていたら痺れた。

「イタタタタ....。」よっこらしょと体を起こす。

眠っていたMも気配に気付き、何事かと起きる。




「おはよう、どしたの?笑」


「おはよ。二の腕が痺れた。笑」


「なーにやってんだよ。爆笑」



ボケーっとしていると運転席に座っているMに右腕を掴まれた。

そして私の二の腕から掌まで両手の親指で優しくにぎにぎしてくれた。


「お、マッサージ?血行促進?血が巡るぅー。」

ありがとうと言いかけたところで右腕に急激な力が加わる。



ーーーーーーえ?!





グイッと引き寄せられてあっという間に私はMの腕の中に収まった。




頭と頭をコツンとされて、名前を呼ばれる。





ーーーーー近くない?!ここで顔あげたら.....。











寂しいだけだ。きっとMは、寂しいだけだ。





そうに違いない、と思いながらも


どうして私は



こんなにドキドキしているんだろう。






END

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