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Q:これが魔王達に追いつく為の移動手段ですか? A:俺が疲れるだけでどこまでもいける最高の乗り物だと思うのですが。なにか


 魔法を極めるつもりの俺もまだ病気というものには敵わなかったらしい。寝込んだ日を含め七日間もアビゲイルさん達との遅れがある。下手をしたら後一週間もしないで魔王会議が始まってしまう。今日から昼夜問わず移動し続けたら間に合うだろうか?

 そもそも、馬車での移動距離って一日にどのくらいなんだろうか? 馬自体。一日の走行は不可能だ。何度も休憩を挟み、移動を重ねる。人が一日歩くのと、馬に乗って移動するのは殆ど変わりないとも言うしな


 しかし! ここは異世界。前世の知識が生き物にまで通用するかと言われれば

 さあ? としか答えられないのも事実だ。結局、この事に関する考えは不毛なのだ


 村を出て一時間が過ぎたくらいだろうか。ここ最近の雨空とは打って変わって、青い空はとても気持ちよく。硬い茶色い道は感動する程歩きやすい。こんな晴れやかな気持ちになる要素があるのに、俺はこの先どうやってアビゲイルさん達にどう追いつこうかなんて考えなければならないなんて困ったもんだ


〈だったらどうするんですか?〉


 お昼まで上の空だった全魔眼が元気になった。俺が弱るのと同様に全魔眼にも影響が出るのかと思ったが、そんな事はないらしい。一安心である


「まあ、風邪を引く前に一つだけ思いついた事がある」

〈ほほう。お聞きしても?〉

「勿論だ。ここで前世の知識を生かして乗り物を作る!」


〈ぜ、前世の乗り物と言いますと。車ですか!?〉

「ピストンエンジンなんて物は作れない! 大体、知識の塊みたいなもんをこの俺が作れると思うか? 作ってる最中に魔力切れで干涸びるわ」

〈……では、バイク?〉


 やれやれ、全く解っていないなこの目ん玉は。おもわず飛んでも長い溜息が漏れてしまった


「さっきも言ったけど、エンジンなんて高度なもんは作れないの。まあ、車よりも小さいし可能性はあるけど。燃料のガソリンは無理でしょ。化石燃料を生み出せと?」

〈すっごくムカつく言い方ですが、確かにその通りです。では、一体何を作るんですか?〉


 硬くはあるが舗装されていない凸凹の道。それでも自動化は難しいのでやはり人力。ここから導きだされる俺の知識でも創作可能な便利乗り物


「自転車じゃあああ!」


 周りからは広大な大地で独り言を言ってる様にしか見えなく。更には急に叫びだした様にしか見えないだろうが、幸い誰もいないし、既に慣れた事なので何とも思わない

 形とか結構複雑だけど何とか行けると思う。友達の家でリムを何度か組んだ事があるしね。めちゃくちゃ振れたのが懐かしい。グリップとかタイヤのゴムとかはゴリ押す。一番無理しなきゃいけないのはチェーンかな?


〈なるほど自転車ですか。確かに、歩くよりも速く。疲れにくい。馬に必要な休憩時間も省けますし、何より一回作ってしまえば燃料で消費するはずの魔力もいりません。名案かと〉

「ふふん。だろう? そうと決まれば早速作ろう」


 横に伸びたグリップ、左右の先は軽く上に反り返りながら前方に伸びている。サドルはハンドルとほぼ平行、サドルの下から真っ直ぐ伸びるチューブはペダルへと続いており。クランクの直ぐ内側にあるチェーンにカバーはない

 自転車の大部分を占めるのはタイヤで、幅は狭く細いと表現した方がいいだろう。いってしまえば、スポーツタイプ


 どんな物が高く、性能がいいかは俺には解らないが。友達が家で練習していたのはこんな感じだったはずだ。自転車やでバイトしてたなあ。懐かしい。名前は思い出せない。まだ働いてたら、店長とかになっているんだろうか?


 話がそれた。結局は速度重視。ママチャリ駄目遅い。スポーツタイプならその気になればかなりの速度が出る。持久力のある筋肉もつくし、一石二鳥だ


〈中々様になってますね〉

「今日から競輪選手張りに朝から晩まで漕いだるぜ。あの人達は食事制限とか、呼吸器の訓練とか色々あるだろうから俺みたいに、文字通り一日漕いでる事なんてないと思うけどな」


 村で貰った肩掛け鞄。動物の皮でできた物で、多少の雨は弾くだろう。横幅は俺の腰くらい、人の頭が二つはいるのがやっといった大きさだ

 中には多少の調味料。中世ヨーロッパでは金と同じ重さで取引されたと言う黒胡椒

 それに布に包まれた火打ち石。二本の細長い長方形の黒い石が二つあるバックの内ポケットに

 もう一つの内ポケットには、作業用と思われる小型のナイフが鞘に収まった状態で研ぎ石とワンセット

 五百ミリリットルのペットボトル大のランプが一つ。金属製のカバーがされている。油を燃料にしているもので、予備の油が縦長の瓶に三本

 明日の昼食分までの、拳くらいあるパンが入っており、コレがバックの中身となっている


 綺麗に整頓されてあるため若干の余裕があった

 折角もらった貴重な物資を身体に固定して、作り出したばかりの自転車にまたがる。形に関する不安要素が多いので最初はゆっくりと漕ぎ、徐々に速度を上げていく

 自転車の不備もなく。流れていく景色がどんどん速くなり、通り抜ける風も強く、心地よく、涼しく感じる。今が夏でなければ、風邪がぶり返したかもしれないな


「うーむ。現代科学を異世界で! なんて小説はどうかと思っていたが、なかなかどうして。心がワクワクするんだろうね」

〈動悸じゃないですか?〉

「そうじゃねえよ! 縁起でもない事言うな」

〈じゃあ、もう疲れたんですか。駄目駄目じゃんか〉


 全魔眼とのくだらない会話をしつつ自転車を漕ぎ続けた

 村を出て六時間。自転車を漕いで五時間が経過した頃だった。道が土俵のように、四角く開かれ、角から三方向に分かれていた。俺今通っている道を含め四方向。来た方向の魔族がよく解る様にと、道の正面に看板が立っていた。それは他の道にも同じ事が言え、合計で四つの看板があった

 俺は来た道から正面に立っている看板の前で自転車を止める。左、四日後村。真ん中、二日後峠。右、二日後村


「なんだあ、この役に立たない看板は?」

〈取り敢えず真っ直ぐ向かえば良いんじゃないですか?〉


 そんな全魔眼の回答を聞き俺は空と行く先の道をを見る

 空はうっすらと赤みが差し始め、昼間よりも多くなって来た雲がオレンジ色になっていた。それに気温はどんどん下がり始めている。硬い茶色の道はどこまでも続き、道の先には山しか見えない

 本来なら、ここで野宿するのだが。そうも言ってられない


「だな。先を急ぐべ」


 俺は真ん中の道を進む。一時間もしない内に雲の量が増え、辺りは瞬く間に世界は暗くなっていく。もう間もなく世界は闇に包まれるであろう。気温も下がりに下がり、風で一掃体温が下がっていくのがわかる

 古い服もアビゲイルさん達が持っていってしまったので、持っている服以外で着る物がない


 ……いや、まて。バックは革製だ。代理魔法で革ジャン作れないか? 思い立つ日が吉日。早速身体に固定したバックに触れる


 ここで代理魔法の細かい説明をしよう。例はアダフさんの剣

 アダフさんの剣を作るにしても、刀身の部分と柄の部分の二つを必要とする。この説明だとコレットさんのナイフはどうなんだと言われそうだが、一つの物であれば勿論大丈夫だ

 しかし残念な事に、アダフさんの剣は壊してしてしまい修理した時に欠片を拝借したので、剣と柄が繋がっていないのだ。残念な事に繋がった物は手に入らなかった

 形に関しては思い通りにできる。ワーウルフとの戦闘がいい例だね。小石を石で出来た刺に作り上げた。こういった単純な物はイメージするだけで出来るので重宝する


 革製品に至っても同じ事が言え。物としての形をイメージすれば、多少知識がなくても何とかなる。革ジャンの完成だ。一度自転車を止め着る

 ふと気がつくともうどこにも光源は見当たらない


「うわ、街灯とかないからマジで暗いな。星明かりもないし」

〈暗視スキルを使いますか?〉

「ああ、そうしてくれ。おんや?」


 全魔眼の暗視スキルで世界が明るくなっていくと大分先に人影が見えた


〈自転車消します?〉

「気にする事ないんじゃないかな。馬車もあるくらいだし、そのうち自転車も出来るでしょ」


 気にすること無く再度自転車を漕ぐ。人影が近づいて来て大きなローブで身を包む姿が見えて来た。荷物は一つ。ローブ君の上半身程ありそうな、大きな肩掛け鞄をかけている。ローブはフード付きの物で後ろから見た限りでは男女の判断は出来ない

 身長は俺とかわらないくらいではないだろうか? いや、俺より頭一つ分大きいかな


 駆け足のローブを自転車で追い越す。男女の有無を確認する為に、顔を覗き込む様な無粋な真似はしない

 しかし、文明の力は素晴らしいな。駆け足の人をこんなにも簡単に疲れること無く追い越せるのだから、自転車って素晴らしい! おお?


 何か視界に映り込むなと思い左側を見る。振り向いた瞬間にローブが俺を追い越して走り去ったのだ


「な!?」


 その上、追い越した時に鼻で笑ったのである。ちょっと勝ち誇っていただけに、なんか悔しい

 よし、抜かし変えそう。腰を浮かせてペダルを強く漕ぐ


「む!?」


 鼻で笑いながらローブを追い越す。どうだ! と言わんばかりに振り向くとローブの走る速度がまたも速くなったのだ


「なにぃ!?」

〈え、超くだらない〉


 そんな馬鹿の言葉が聞こえたが気には止めない。コレは勝負だ

 そこから先は長かった。追い抜いたり追い越されたり。延々と繰り返していた。気がつけば晴れた空に月がそれなりに上がっていた。少なくとも一時間は本気で自転車を漕ぎ続けたらしい

 結局俺は疲れ果て、自転車がぶつかると危ないのでローブが何歩か先に言った所で仰向けに倒れ込んだ。俺が倒れる音と一緒にもう一つ重たい物が倒れる音が聞こえる。どうやらヤツも力つきたらしい


「はあはあ。くそ、なんてヤツだ。自転車と同じ速度でこんなにも走れるなんて」

「はあはあ。それはこっちの台詞だ。僕は持久力に自身があったのに」


 相手をたたえるため、俺はうつ伏せに転がり身体を起こした。丁度もこうも身体を起こした所で月明かりがローブの中を照らす。その中身は


「犬?」


 毛むくじゃらの犬の顔があった。新種の魔物だろうか





 昨日投稿終わったからゼルダをやるといったな。アレは嘘だ


 昨日はゼルダをやる為にテレビを付けた瞬間。俺は後悔した


 渡瀬恒彦さんの追悼ドラマを前半見逃していたのです……私は二時間ドラマが大好き

 赤い霊柩車、北大路欣也さんが番組の最初と最期でスポーツカーに乗って終わる二時間ドラマ(名前忘れました)は勿論。タクシードライバーシリーズも大大大好きでした


 二時間ドラマ界はまたも惜しい人を亡くしたと思います

 こんな駄文の後書きに開く事ではありませんが、本当に残念です


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