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転生した少女は

作者: 雨瀧了

初投稿です。よろしくお願いします。

 こんなに寂しいなら、いっそ死んでしまったほうが良かった。

 早く、はやく、ハヤク、誰か私を見つけて。一人は耐えられない――――

  

 




 神様にお願いをして、生きたいと願ったけどこんなに寂しいならいっそ死んだほうが良かった。


 転生した最初の頃は、あたりは真っ暗で何も見えない状態だったから、ずっと寝て、起きてを繰り返していたけど、そのうち、寝ているのか起きているのかわからなくなってやめた。

 毎日が暇で暇で、何かしたいけどできない。睡眠も食欲も、今の私には必要なくて、本当にすることがなかった。


 神様はどこか、遠くの世界に転生させてくれるって言っていたけど、何に転生させてもらったのかよくわからない。体は動かないし、そもそも指先や手足の感覚がない。もしかしたら、生き物じゃないのかもしれないって納得していたけど、今じゃ寂しすぎて神様を呪う日々。早く、誰でもいいから見つけて。


 この何もない真っ暗な世界で過ごしていると生きている感覚がない。

 神様は転生させてやると言って、実際私は死んだのではないかと疑ったが、後の祭り。それを聞くことはできないし、どうやって神様とコンタクトを取ればいいのかわからない。


 わからないことだらけでイライラしてきた。周りは真っ暗、音も匂いも五感というすべてが暗闇に包まれている。私がこっちの世界にきてからどのくらい経っただろうか?



※  ※  ※ 




 あぁ――――ようやくわかった。



 終わりの音が聞こえる。初めて聞こえた音。それが終わりの音でも嬉しい。でも、この音を出させているのが私だと思うとすごく悲しい。

 やっと会えた人間がたくさんいる。私を見上げて出迎えてくれている。できればこんな形で出会いたくなかった。ごめんなさい。






 長かった時を経て、私はやっと死ぬことができる。多くの人間を巻き込んで。死ぬときは一緒。絶望と恐怖を与えて、私は一つの世界を滅ぼして消滅する。


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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公は原子爆弾のたぐいに転生したのでしょうか。 転生しても冒険が始まらない、というか活躍が始まった瞬間終わってしまう、という設定が良かったです。 主人公が謝っているところが切なくて、好感を…
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