Present.2 【自称孫登場!】
ミ〜ンミ〜ン・・・。
夏に居ない所なんて無いセミの鳴き声が木霊し続ける。
セミの鳴き声は、暑さをより燃え上がらせるから嫌いなのだ。
「あ〜〜つ〜〜い〜〜〜。」
俺はいつもと同じ、日向のかなり当たる道を重い足取りで歩いていた。
暑い暑い暑い・・・!!!
暑すぎるッッ!!!
俺が通う学校の通学路は、このあっつい道しか通ることができない。
いや、すぐ近くには涼しい日陰に恵まれた森があるのだが、
そこは危ないようなので、そうそう近寄れない。
この地域は普段暑いが、夏になると身体がナメクジのように溶けてしまいそうになる。
(ナメクジになったことは無いが。)
俺はいつまで経っても、この暑さに慣れないでいた。
夏になると、セミを恨めしく思ったりした。
(単なる八つ当たりだ。)
微かにふらつく足を精一杯前に振り上げていくと、俺は目の前に変な物体を見つけた。
・・・UFO・・・????
目の前にあるそれは、見た感じテレビとかでよく見る円盤型のUFに見えた。
夏の暑さに、とうとう視界が狂ったかと目を擦ってもう一度見てみると、
やはりUFらしき物体はあった。
確かに。
そのUFOは円盤の部分が、落ちた衝撃なのか少し欠けて壊れていた。
そのUFOをみて、俺は一瞬だけ寒気を感じた。
その寒さは、とても気味悪いように感じ取られたのだが。
俺は唾を飲み込もうと必死で(最終的には詰まった)、息を殺しながらUFOに近寄った。
好奇心で近寄ったんだ。
いや、好奇心が無ければ近寄らないって、普通。
俺が近づいたとたん、そのUFOの扉らしきドアが白い煙を出して開いた。
(なんか、SF映画みたいだな。)
「あっちゃ〜。燃料切れだ。しまった、予備持ってくるの忘れた。」
そんな声が白い煙の中からして、その声の人物は俺の前に現れた。
「・・・おっ?もしかして僕、ツイてるかも。」
そう、その人物こそが、自称『俺の孫』こと、誼田快なのである。
「もしかしてもしかすると、あなた、誼田かなめさんですか?」
俺は冷や汗を拭いながらも一応答えた。
「あ、あぁ・・・。」
さすがに大きなリアクションは取れなかった。
人間、怖いものを目の前にするときには必ず動けなくなってしまうのだろう。
なんて思った。
「やっぱりっ!僕、あなたの孫息子の誼田快です☆」
―は?
・・・とまぁこんな感じのリアクションでした。
何かすいません。