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Present.1 【緊急事態?】
夏休みが始まってもう二週間が過ぎる。
俺は、夏休みが始まってもう二週間経ったことなんて、まったく気付いてはいなかった。
それは、そんな事よりも大変な事態が起こったからだったのだ。
「ねぇ、かなめさん。」
俺の名前を、俺と同い年ぐらいの少年が呼んだ。
少年は俺よりも多少背が小さく、俺を見るときはいつも上目目線である。
「僕のこと、信じてくれましたか?」
そう、大変な自体の原因はこいつだ。
こいつの名前は誼田快。
自称『俺の孫』である。
ちなみに、俺、誼田かなめ。
今年で中二の十五歳。
まだまだピチピチの男子生徒だ。
ピチピチというと、やっぱり爺くさい、と思ったりはするが、そこは置いておいてほしい。
実をいうと、俺自身信じられていない。
こいつは最初、俺のことをお祖父ちゃん、と呼んだのだ。
こいつと会ったのは、夏休みに入る前日。
いまからきちんと説明しよう。
頭がきっとこんがらがるから。(ってか一緒にこんがらがってください!)