文化研究部
第二音楽室に集まった5名。
5人の視線は鈴音の持つノートに集まっていた。
「ど…どうでしょう?」
弱々しく皆に聞いている鈴音。
「今回も上出来だ」
と、俺は彼女の頭を撫でる。
昨日の夜、彼の思い付きで始めたこの計画。大好きな彼女に負担をかけたくはなかったが、思い切って提案してみたのだ。
*
某SNSサイトにて
楓「ごめん。新入部員獲得の戦争について忘れてた(;ω;)」
翔「え?Σ(´д`)」
遙「え?Σ('∀`)」
歩斗「曲の構成はだいたい練ってあるから、歌詞次第だが(゜Д゜)」
鈴音「ごめんなさい。今手元には恋愛系の詩しかないよ(・ω・`)」
*
「歩斗、曲の方は?」
呼ばれ歩斗は頷く。
昨日の今日での事なので、明日までに間に合うのか不安だった。
「一時間程時間をくれ」
そしてその1時間後。
「よくやった!」
楓の声に合わせて、拍手が二人を包む。
「「ありがとうな(ございます)」」
最初から心配する必要なんてなかったのだ。二人は出来る。部長の自分が一番信じなければいけない。
しかし、これだけでは終わらない。
動画を作るのだ。詩と曲があっても、絵がない。字幕もない。
でも心配することはない。
うち(文化研究部)にはこの二人がいる。イラストと動画の編集。
二人は最も大変な作業を取り扱っているのかもしれない。
俺は二人を尊敬している。
二人がパソコンとにらめっこを始めてから、二時間が経った頃。
「できたぁぁぁぁあ 」
「「「お疲れ様 (です)」」」
「ごめんね皆 遅くなっちゃって」
イラストを書き続けた遥。
動画を編集し続けた翔。
二人の活躍により、この日の活動は夕日が落ちるまでには幕を閉じたのでる。