じぃのおはなし
今日は付き合い始めて1ヶ月になる彼女との初デートだ。
ちょっと張り切って早く来すぎたぜー。
プレゼントも用意したし、あいつ喜んでくれるかなぁ‥
今日のデートコースでもチェックしとくかなっと
おもむろにポケットから真新しいスマホを取り出し
ベンチに腰を下ろす
と
ん?
なんだこれ?
ベンチの下に落ちていた古めかしいそれに
俺は思わず手を伸ばしていた。
待ち合わせの時間にはまだ20分程早かった。
暖かい日差しの中一斉に鳥たちが飛び立った。
これこれそこの君!
そう、お前さんの事じゃ。
一瞬にして周りの音が全て無になったかのように脳内に響いてきた。
えっ?
急になぜか体がびくんっとなる。
声の方へ向くと
いかにも漫画にでも出てきそうな白髪のおじいさんが佇んでいた。
まぁまぁこれも何かの縁。
ゆっくりこのじぃの話を聞いていきなさい。
そう言うとじぃと名乗るそのじいさんは続けた。
長年生きてると色んな事見て来たから
今日は1つ興味深い話をしよう。
ものすごく胡散臭いにも関わらず
なぜだろう‥
なんとなく
そのじぃとやらに親しみを感じてる俺がいた
少しならと思い聞く事にした。