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希望の影  作者: こたろぅ
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覚醒(めざめ).4

登場人物


 兄:草露くさつゆ しずく


 課長:さかき 竜郎たつろう


 女性社員:琴乃ことの 琴葉ことは

「おつかれさまでした!」


 僕は職場の上司に挨拶をした。


「ごくろーさん。いつも助かるよ、ありがとね」


「いえいえ、自分を雇ってもらえたこと、とても感謝しています。」


 罪人であるがゆえに僕はいくつもの会社に断られ路頭に迷っていた時期があった。


「自分のできることはなんでもやりますから、気兼ねなくおっしゃってください。」


 でも、この会社の社長は昔、僕の両親と親しい仲であったためか、働き手に困った僕を会社に招いてくれた。


「それではお先に失礼します」


 感謝しても感謝しきれない思いで僕は仕事に励んでいる。


「草露さん、今日も一人でいくつもの仕事をこなしましたね。見習いたいものです」


「そうだな。あんなにいい青年なのに、どうして彼が……」




 世界の法律は歪んでいる。


「そうだ、今月はボーナスが出たからアレを買って行こう」


 正義を主とした考えが、この世界を変えた。


「すみません、こちらの商品はお売りする事ができません」


「え?どうし……」


 そっと店員が手で示した先に、


『罪人の方への販売は致しておりません』と書かれた張り紙が貼られていた。


 罪人は、買い物さえも容易にはできない。


「……くそっ」


 そんな不条理に対しての怒りを抑え、僕は安息の地である『世捨ての山』へと歩を速めた。

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