はじまり はじまり
桜が街に彩りをくれる、4月半ばのアフタヌーン。
今日は実力テストがあったので、4時間目以降はカットされお昼を食べたらすぐ帰宅出来るのだ。
だが自由な時間を与えられた高校2年生というのはリールを外されたワンちゃんと同じくらい楽しそうな物事に向かって突っ走る傾向にある。勉学のことは思考の外の外の外、太陽系の外まで吹き飛ばして行ってしまうのだ。当事者の僕が言うんだから間違いない
今日は地下鉄最寄駅からしばらく進んで、地下街の本屋さんで散財することを1ヶ月前から目論んでたんだ。
繁華街だと補導しようと手ぐすね引いて待ち構えてる教職員並びにPTA・地域役員の皆様のもとに自分から身を差し出すことになっちゃうので、通学路だとゴリ押しが効く気がしなくもない駅と隣接した地下街で好き放題やることにする。地下街ってすてき。
早速お目当ての本屋まで到着。まばらに出入りするお客さん(この書店に入る人はみんなのんびりやに見える。きっと僕のバイアス)と、あまり素早くない動作で本を所定の棚に運ぶいつもの店員さんを確認。いいね、僕の好きな雰囲気。
そして目当ての漫画『コンニャクンver.5.28』9巻を確保しレジへ。
これは蒟蒻芋と金を混ぜ合わせて作られた巨大ロボット「コンニャクン」が世界各地に蔓延る邪悪と戦っていくSFジョブナイルストーリー。機械の精密性と蒟蒻の弾力を併せ持つコンニャクンが毎回体をかじられながら戦う姿が、読者から「宇宙的狂気に満ちたサーカス」「風邪をひいた後にウォッカをしこたま飲んだらこんな夢を観れるかもしれない」「何を伝えたいのかわからないのにわかる」とカルト的人気を誇る素晴らしい作品である。
無事今回の最大目標を達成し、焼きたてサツマイモにも負けないくらいホクホクしながら帰宅の路についていた。その最中、地下街と駅のちょうど間の通路にて、見たことないもの見つけちゃう。
地下道の白い壁の中、唐突に現れるピンクのハート。壁一面を覆うように、どデカいハートが描かれてる。
しかしその前を通る人々、一瞥もせずに通り過ぎゆく。
都会の波にもまれすぎ、感受性が鈍くなったのだろうか?出来れば僕はそういうものを大事にしていきたい
ので、不用意にハートに近づいてみる。近づいてみてよくよく見ると、ハートに取っ手がついている。(おしゃれなことにこれもハート♡)
つまりこのハートはどこかへの扉だ!感受性を大事にしたいので思い切って入ってみよう。職員専用だったら謝ればいい話だ。エイヤッ! ガチャ
それからしばらく後、
バンバンバババンババンバン!!
ガシャンガシャガシャガシャコーン!!
7・7・7 ジャラジャラジャラジャラ
僕は賭博場の真ん中で銃撃戦に巻き込まれていた!!




