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ここは何処だ?

「旦那様〜!双子が生まれたわよ〜!」


(何だ?知らない声がする…)


 目を開ける。金と黒の壁と床。毛深い絨毯、座り心地が良さそうなソファーと高級そうな机が右側に。ロココ調の金と白のドレッサーと椅子が左側に。一番奥にある大きなベッドに赤子を2人抱えた腰位の白髪で瞳はベビーピンクの女性が座っていた。


(あれ?ここは何処だ?こんな所、俺は知らない…)


「そうか…。元気な男子だろうな?」

 ネイビーブルーの髪は肩よりちょい長め、瞳は俺の髪と同じ紫の男性が聞く。


(この人の声イケボだな…。羨ましっ)


「両方とも女の子よ〜!」

 ベッドで双子を抱いている人が男性に言う。優しく甘い声だった。


(あれ、声が出ない!何でだ!?よく見ると俺の体、透けてる!?)


 俺は半透明で宙に浮かんでいる。

「余の後継はどうするんだ!☓☓!」


(今、なんかノイズみたいので一瞬聞こえなかった…)


「何で私が八つ当たりされなきゃいけないの?魔王様。私が頑張っても何もできないんだからしょうが無いでしょ?」

 首を傾げる女性。

「もういい。その双子のどちらかを男子として、次の魔王として民に公表する」

「分かったわ!じゃどうやって決めようかしら?あみだくじ?それともじゃんけん?」

「先に生まれたほうを男子として公表する。それで良いか?」

「うん!それでいわ〜!」


(雑っっっっ!赤ちゃんの未来とか考えてあげねぇの!?)


「旦那様…。御子息様の誕生セレモニーの準備を…」

 おじいちゃん執事が男性に声をかける。

「あぁ、すぐ行く」

 おじいちゃん執事の後に続いて出ていった。

「でも、私は永遠にあなたが魔王がいいから。この子には悪いけど魔法だけは弱いふりをしてもらいましょっ」

 2人の赤子の内1人が女性の言っている意味が分からないのか笑いながら手を伸ばしていた。


ブツンッッッ


(えっっ!何かが切れた音とともに場所が変わったた!?いや、場所は同じだ…。一体何が起こったんだろう…)


「☓☓☓、あなたは弱いふりをしなければなりません〜!あ、魔法だけ、ね。分かった?」

 先ほど赤子を抱いていた女性が、白髪で肩くらいに切りそろえた子供に言い聞かせる。


(ルルカより髪が長いな…。この子供)


「はい!お母様!貴方様のご期待に必ずや応えましょう!」

 元気な少年の声だった。

「うんうん、いい子、いい子!」

 白髪の子の頭を撫でる女性。

「後、あなたの妹には内緒ね!あなたは魔法だけは出来損ないの子として生きるの〜!」

「はい!!!」


(多分さっき女性が抱いていた赤子だと思うが、まるで従者と主人だな。それでもそれは横暴だろ)


「まぁ、あの人があなたに『なんでそんなものが出来ないんだ!』とか言うだろうけどガン無視していいわよ〜!」

「はい!!!」

「じゃあ、あなたの演技に期待してるわっ!」

 白髪の子はその言葉に体を震わせ、恭しくお辞儀した。

「はい!私に万事おまかせを!」


(この子供…。俺が言うのも何だが、相当な毒親持ちだな…)


ブツンッッッ

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