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フフフ

「ボクがルミ様を殺めてしまい、自室に閉じこもって居た時だった」

 

_ルルカの過去


(ルミ様…!ルミ様…!!)


 自然にポロポロと涙が出て来る。

《こんにちは!ルルカ》

 元気で幼い声が脳内に響く。

「誰!!?」

 キョロキョロと周りを見渡すが誰も居無い。

《私は、瑠華(るか)淡海(あわうみ)瑠華。よろしくね、ルルカ・オファーリエ》

 コロコロと鈴を転がす様な声で話す瑠華。

「何でボクの名前を…?」

 

(もしや、ボクを狙った賊!!?)


《ふふふ、警戒しなくて良いよ。私はね、君達とは全然違う世界から来たんだよ。私にとってここはアニメの世界、或いは憧れの場所。要するにね、ここの事はぜ〜〜〜んぶ知ってるの!》

 きゃっきゃっと笑いながら話す。

「『アニメ』?」

《ふふふ、分からないのは当たり前だよ。だから、そうやって俯いてないで私の話を楽しく聞いて?》

 まるで幼子をあやす様な声音でボクはまたポロポロと泣いてしまう。

「貴方はボクの敵なの…?」

《安心して!私は、貴方に害は与えない。味方だとは言えないけど…それは君が判断してね。だから、私の前だけで良いから肩の力を少し抜こう?》

 そんな言葉を掛けられたのは初めてだった。周りの大人達はボクに『役』を演じる事を強要する。大切な妹のルルもそこに引っ張られない様に、とずっと気を張っていた。それが、プツンと切れる。

「ボクね、もっとルルと話したかった…!勉強は楽しいけど、痛いのは嫌…!苦しいよ、って訴えても『気の所為』で終わらせられる。もっと心配してよ…気にしてよ…!」

 言葉が止め処なく溢れて行く。

《大丈夫だよ。貴方を慈しむ人は(ここ)だよ。欲しいなら口にして。それを私は咎めないから。なんなら、私が与えてあげる》

「愛して…!私を愛して!!」

《良く出来ました》

 その日は普段の自分じゃあり得ないくらいうんと泣いた。

瑠華は色んな事を教えてくれた。『自分の生い立ち』について、『アニメ』について、ボクが食べた事がない『料理』について。その殆どはしょうもなかったけど、ボクは人生で1番楽しかった。

でも、そんな楽しい時間にも終わりが来る。

「ルルカ!!早く出て来い!!!」

 ドンドンと自室の扉を叩くのは実の父親。

「あそこに、戻りたくない…!そうだ瑠華!代わってよ!!」

《良いよ》

「えっ…?」

《大丈夫、私はメンタルも強いし、貴方がサポートしてくれれば百人力だよ!》

 いつもと同じ様にニコニコと笑う。

「良いの?ボクの代わりにあの地獄に行ってくれるの?」

《私は地獄でも楽しく過ごせる自信があるからね!》

 ハッキリと断言する。

「フフッ、何それ。馬鹿みたいに楽しそうじゃない」

《でしょ!?》

「お願い、代わって」

《任せて!》

 中身が入れ替わり、瑠華が居た場所にボクが入る。

「ここまで良く頑張ったね。これからは私の中でゆっくり休んで」

 その言葉と共にボクは目を閉じた。


_現在

「って言う感じ」

「え!?俺はアニメの中の人なの!!?」

「そうらしい。『ソウヤがヒーローでルルがヒロイン何だ〜。そして、私の推しキャラ、ルルカとエヴァンは悪役!』って言ってたね」

 

(何なんだよ!?それ!!?)


「あと、あの子の生い立ちは奏夜君。君と似ているかもね」

 目を細め楽しそうに言われた。

「??」

「あの子、社長さんの子供なんだって。君もそうでしょう?」

「はい…」

「でも、学校で虐めとかはされなかった、出来なかったんだって」

「!?」


(何それ、羨ましい!!社長の子供ってだけで、殴られたり蹴られたりした俺が馬鹿みたいじゃん!!!)


「『学校に行った事が無いんだ』って寂しそうに言ってたもん」

「へ…?」

「『体が弱くて、ず〜〜〜っと病院で入院してたんだ。だから、私は放って置かれてて…。弟が居るんだけどね、その子は厳しくされてたんだけど、羨ましかったな』って」

「はぁ!!?何だよそれ!!放って置かれる方が良いに決まってんじゃん!!!」

 思わず立ち上がるがルルカは気にする素振りも見せない。

 

(あの地獄を瑠華だっけか、全然分かってねぇじゃん!!!)


 いつも、怒りを滲ませて怒る父さんと止めない母さん。

「『それだけ期待されてる、愛されてるって言う証拠だもん』」

「っ…!」

 確かに暴力とかも振るわれていないし、虐められたと両親に伝えればキチンと学校に訴え、止めさせる様にキツく言っていた。俺が家出をした時は母さんが怒っていたが、その瞳は心配していた。

「『ソウヤもソウヤの両親に辛いよってちゃんと伝えれば良かったのに…私みたいに伝えられる術が無いって訳じゃないんだから』」

「!!!」


(そうだよ。母さんに俺は一言も『嫌だ』って言った事が無いや…伝えられる時間もあったのに…)


「だってよ。フフ、ごめんね。少し頭にきて」

 俺の発言に静かに怒っていたんだと今更ながら反省する。

「すみません…」

「フフフ、良いよ」

 穏やかに笑っているがその心根は何も分からない。

「だからね、君に瑠華を救って欲しい。いや、君でなくては駄目だ。なんて言ったって君はこの『物語』のヒーローなんだから!」

 ブワッと風が起こり、花弁が舞う。

「時間だ。またね、奏夜君。次に合う時は死んでから、かな」

「えっ…!?」

 その言葉と共に俺の体は浮いていった。

   ◇◆◇◆◇◆

「お帰り」

 ヴァンが魔法で出したんであろう椅子に座り、本を読んでいた。

「た、ただいま…?」

 宝箱があった場所に俺は突っ立っていた。

「どうだった?」

 立ち上がり本を閉じると、椅子がパッと消えた。

「マリアとルルカに会った」

 その言葉にヴァンの瞳が限界まで開く。

「ルルカに?それでどうしたんだ!?」

「それで…いや、これは後で教えるよ。俺を突き落とした罰だ」

 ニヤッと笑う。

「悪く思うなよって言ったぞ!」

「俺は根に持つ男なんだ!!」

「そんなんだからモテないんだ!!」

「それとこれとは関係無いだろ!!」

 ぎゃいぎゃいと言い合う。 

「あっ、それより俺、ルルカ…瑠華を救わなくっちゃならならなくなった」

 キリリとした顔で言う。

「何でだ!!?」

「ルルカが救ってくれって言ってたからな。まぁ、元々連れ帰る(救う)積りだったし」

「はぁ、好きにしろ」

 呆れ半分な様子だ。

「なんか腹減ったぁ!」

「帰ったら、ルル様達が料理を作って待ってくれている筈だぞ」

 『その前にルルカとの話の内容を聞かせろよ』と付け足される。

「え〜!」

「『え〜!』じゃない!!」

 ガミガミと色々言われる。


(これから、大変だろうなぁ)


_俺はまだ知らない。瑠華達との戦いの壮絶さと終幕までのイザコザ。それと、家で待ち構えているもの凄い剣幕で怒るノアさんの姿を…  

           end?

一旦完結です!

拙作をここまで読んで下さった皆様には感謝しかありません!!!

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