酷くイタイ奴
「ルカは学園の地下室で魔力を使った労働をしてるんだ」
「そこに殴り込むって訳か!クククッ、アイツの驚く姿を想像しただけで最高だな…!」
「そういう事だ」
会った事も無い『ルカ』の顔が思い浮かぶ。
肩より少し伸びた白髪、赤みがかったオレンジ色の瞳。ルルカより身長が遥かに高く、少女と言うよりかは大人の女性だ。
「さぁ、行くぞ」
「あぁ!…で、どうやって行くんだ?」
「地下室へ行ける扉がここの反対の場所にあるからそこから不法侵入する」
「分かった」
◇◆◇◆◇◆
反対側に来たが、生い茂る雑草達が行く手を阻んでいた。
「確か、この辺に…」
それを物ともせず、雑草の中へと進んでいく。
俺もヴァンの後ろに付いて行く。
「あった」
「?」
「ここから入れるぞ」
ヴァンは錆びた取っ手を掴み、上に引っ張る。
「おお〜!」
(秘密基地みたい…!)
「足元気を付けろよ」
「分かってるって!はしゃいで踏み外す様なガキじゃないんだぞ!」
中には細長い階段が渦を巻いて続いていた。
(すげぇ、何かワクワクする…!)
「ぎゃあっ!」
「おっと」
左右にある壁をキョロキョロと見ていたら、階段を踏み外すしてしまった。
「だから気を付けろって言っただろ…」
「す、すみません…」
呆れ切っているヴァンに謝る。
(は、恥ずかしい…!)
「手でも繋ぐか?」
「結構だ!!!」
_数10分後
厳重な扉が見えて来た。
「着いたぞ」
「な、長かった…!ホント〜〜に長かった…!」
「お疲れ様。だが、本番はこれからだぞ?」
「現実を見せるなよ!」
「現実逃避していても、仕方が無いだろ」
「くっ、正論でぐうの音も出ない!」
「それより、中に入るぞ」
「おう!」
ギギィーと嫌な音を立てて扉を開ける。
「たのも〜〜〜!!」
「な、何!!?」
中には俺が想像した通りの女性が無地のワンピースを着て、ベッドに座っていた。
「だ、誰よ!?貴方達!!」
「クククッ、お前を殴りに来た!!!」
「それより誰なのよ!!!」
「お前に名乗る名などない!!」
「奏夜…何ていうか…中二病?だったけ…分からんが酷くイタイ奴だぞ…」
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