寝たままでしょうね
ヴァンの記憶を読み終わり、全員帰ってきた。
「お戻りになられましたか?何かご質問があればお答えしますよ」
「じゃ、じゃあ、私から」
ルルが手を挙げる。
「どうぞどうぞ。私にジャンジャン聞いて下さい」
「お姉ちゃんが『この様な選択』って言ってましたがどういう事ですか…?」
「あの人が悪役になり、断罪されて死ぬと云う選択です」
「「「!!!?」」」
「あの人はこの国を貴方方が思うより深く愛しています。あの人が魔王になれば国はとても良くなり、確実に人々が生きやすくなる。ですが、それをよく思わない頑固ジジイ共は民達の気持ちを悪い方に操作する筈です。あの人が懸念するのはそこなのでしょうね」
「ですが、それ等から民達を守れば良いのでは…?」
「それは不可能です。民達から金を搾り取ったりするのではなく、ゆるゆると王族達に嫌悪感等を植え付けて反乱を起こさせるでしょうから。それに、気が付いた時にはもう遅いので、どうする事も出来ません」
「でも、わ、私が魔王になんかなっても同じなのでは…」
「ルル様は、そこまでする行動力も人を惹きつける魅力もありませんし。国自体が良くも悪くも変わらないでしょう」
(サラッと酷い事を言ったな…。ヴァンよ、ルルが泣きそうな顔をしてるぞ?)
「そうですか…。そうですね…私はお姉ちゃんみたいな行動力も人を惹きつける魅力も無いですね…」
ズーンと云う効果音が良く似合う雰囲気だ。
「次は私から」
「はい。どうぞ」
「ルルカ様が使った魔法は何だったの?」
「あぁ、あの魔法は『いい夢が見られる魔法』って言うのを強化しまくった奴ですね。それに私、そういうの効かないんで。そんな私に効いただけでも強い事が分かります」
「因みに私達の誰かが掛けられたら…?」
「魔法が解けるまで寝たままでしょうね」
爽やかな笑顔で言い放たれた物騒な言葉に3人同時に身震いした。




