これでどうだ?
「取り敢えず、ルル様。キッチンにある脱出通路の掃除をしたいので一緒に来て下さい。ソウヤはヴァンの様子を見て来て」
「はい…」
「分かりました」
(ヴァン、起きてるかな?寝たままなんてないよな…?)
悶々と階段を上りつつ考え、自室の前に立つ。
扉を極力音を立てないように開ける。
「ヴァン…」
ヴァンは起きる気配は無く痛々しい姿で寝ていた。
「ホントに意識が戻らなかったらどうしよう…」
ベッドの近くに椅子を置き、そこに座る。
「…………」
(まだ、1時間も経ってもいないし起きる筈が無い。1日待って起きなかったら…その時はどうにかしよう)
椅子から立ち上がり、扉に向かう。
「奏夜…喉乾いた…」
ドアノブに手をかけた所で声がしたので振り返る。
何時もの自分では出ないスピードでヴァンの側に駆け寄る。
「ヴァンーー!!」
「耳元でうるさい…」
「まずは水、水だよな!待ってろ直ぐに持って来る!!」
階段を駆け下り、キッチンの扉に体当りするかの様に開ける。
「コップ下さい!!!」
「え…!?そ、そこに置いてあるコップを使っていいわよ…?」
戸棚を指差す。
「ありがとうございます!!」
コップを取出し、ルルに昨日散々やらされた魔法で水を貯める。
それを持って開けっ放しの扉から出て、丁寧に閉める。
そして来た時と同じように階段を駆け上がった。
「ヴァン!水持ってきたぞ!」
無言でこちらに手を伸ばしたのでコップを手渡す。
それをゴクゴクと全て飲み切り、一息ついた。
「ふぅ〜」
「それよりヴァン。体、大丈夫か…?」
「??ルルの魔法攻撃で受けた傷は治ったし大事無いが」
「!??」
(何処からどう見ても傷だらけ何だが?)
「なるほど」
ヴァンは徐ろにパチンと指を鳴らす。
「これでどうだ?」
靄が全て消え、ヴァンは傷一つなかった。
「え!!?」
遅くなりました!!!




