憎くて堪らなかった!!!
「ルルカ!!」
(行ってしまった…)
「それより…ヴァン!」
「私の部屋にポーションがあった筈だから持ってくるわ!」
ノアさんが階段を駆け上がっていった。
「廃れた城、か…」
ポツリとエヴァンさんが独り言を零す。
「持ってきたわよ!」
水色の液体が入った小瓶をヴァンに飲ます。
「え…?治らない…!」
「ルルカは敵を殴った時に魔法を使って固定するんだよ」
『そんな事も知らないのか』と怪訝そうな顔をする。
「そんな…!」
「どういう事?ノア?」
「魔法で固定されてしまうとポーションは勿論、回復魔法も効かないのよ。しかも、自然治癒さえも出来なくなる。取り敢えず、傷口を消毒して、包帯を巻いたらベッドに寝かせましょう」
「俺の部屋のベッドで良いなら空いてますよ!」
「そうね。まずはそこに運びましょう」
俺がヴァンを背負い、ベッドまで運び、適切な処置をした後にエヴァンさんに『全員、話があるから来い』と言われたのでリビングに戻って来た。
「どうしたんですか?」
エヴァンさんは言いにくそうな、申し訳無さそうな顔をした。
「俺はルルカ側につく」
「「「!!!?」」」
ルルとノアさん、それに俺も驚いた顔をする。
「何故ですか!?お母様を殺したお姉ちゃんにつく理由を教えて下さい!!」
「理由?決まってる。あのクソ親はルルカを使用人のように使い潰し、年相応の我儘すら我慢させた!だから、ルルカが望むなら家族を殺す手伝いもする!!あんな両親も、ルルカの苦労をしらないルルも!!全員憎くて堪らなかった!!!」
吐き捨てる様にエヴァンさんの心の内を全て出し切った。
「私も行きます!!」
クレアが手を挙げる。
「あの人は私の恩人です。私の心の中にある温かい記憶は全てあの人から貰いました!だから、あの人が進む道を私も共に進みます!!」
「クレア…。分かったわ。これからは敵同士ね」
「うん!でも、ノアには負けないわ!!」
「っと、これは独り言だがルカの準備には長くても1週間は掛かると思うぞ。ほらクレア、魔法で転移するから近くに来い」
「はい!!エヴァン様!」
2人共、行ってしまった。
「3人になってしまったけど、頑張りましょう」
「「はい…」」
〜ルルカSide〜
「よ!来ちまったぜ!」
「お世話になります!ルルカ様!!」
(マジかーー!嬉しいけど何だか悲しいなぁ…)
「何で来た?」
本心を悟られないようにスンとした顔をする。
「お前の事、俺は好きだからな!何でも助けたくなっちまうんだよ」
「私は貴方に一生仕えると決めているので!」
「ハハッ、私の所についたら『主人公』に殺されるだけだぞ?」
自嘲気味に笑った。
「なら一緒に死んでやるよ」
「私もお供します!」
「はぁ〜、もう好きにしろ」
踵を返し廃れた城の中に入る。
後ろではハイタッチする2人の姿があった。
「なぁなぁ!ルカ!何でヴァンを殴らなかったんだ?」
「何のことだか分からんな」
「白ばっくれんなよ。ま、俺も合わせておいたぜ」
「ありがとな」
「おう!」
(本当にありがとう。1人で死ぬのは怖くないが、少し心細かった…)




