自己紹介しあおっ!
豪邸が立ち並んぶ住宅街。
(ぜってぇいいとこのお嬢ちゃんだろこいつ…)
そう思うくらい高そうな家ばっかだ。到底一般庶民には買えない。貴族か大富豪でないと。
「ジャジャ~ン!ここがボクの家だ!」
チャコールグレーの屋根に白い外壁。バルコニーもあり、ザ・中世の豪邸!みたいな感じだった。
「こ、ここが…」
口を半開きにし絶句する。
「この家にボク含め4人住んでるよ!その内1人はボクの妹!」
「へぇ、妹さんがいるんですね…。じゃない!同居人がいるんですか!聞いてません!」
「言ってなかった?ごめ~ん。さっ、は〜いろ!」
謝っている態度ではない。適当に俺をあしらい、さっさと家に入ろうとしている。
ガチャ
「たっだいま~!」
「「お帰りなさいませ(!)」」
メイド服を着た同じ身長位の女性二人が頭を下げる。
「今朝言っていたソウヤ君!仲良くしてね!」
「はい」
無表情で返事をする、165センチ位の身長で俺より大人びている。クリーム色で肩くらいの髪、深い緑色の瞳の女性。
「はい!仲良くします!」
もう一人は、明るい笑顔で返事する、165センチよりちょい低そうな身長で俺より子供っぽい。灰色で腰くらいの髪を低く後ろで1本に束ねていた、琥珀色の瞳の女性。
「立ち話も何だし手を洗ってリビングに行こう!ソウヤ君ついてきて!」
靴を脱いで用意されてあったスリッパに履き替え、右に曲がると直ぐに洗面所があった。
普通の自動の蛇口ぽいが、かざしても水が出ない…。
「魔力を注がなきゃ出ないよ」
当然だろとばかりに言う。
「どうやって注ぐんですか?」
「え?う〜ん。できるのが当然だから意識したことないや」
「え!?教えてもらえなきゃできないんですけど…」
「ソウヤ君だって今更水の飲み方教えてって言われたってわかんないでしょ。それと同じ!まっ、今はボクの魔力注いだげる」
「ありがとうございます」
手を洗い、来た道を戻り玄関から見て前に進む。少し歩いて左に曲がったらリビングがあった。
(普通のリビングだ)
扉を開けて右手にテレビ、その真ん前に肘掛け付きの緑のソファー。それより左奥の位置に茶色のダイニングテーブルとダイニングチェアが5つあった。その上にクッションが置いてあり、それぞれ柄がありよく見てみようと近づこうとしたら…
「ソウヤと二人は初めてだし自己紹介しあおっ!」
ソファーとダイニングチェアの間に立つお姉さん。
「ボクはルルカだよ!ルルカ・オファーリエ!で、こっちは…」
「私はノアです。ノア・ガルシア。以後よろしく」
クリーム色の女性が無表情のまま頭を軽く下げる。
「私はクレアです!クレア・ロペス!よろしくお願いします!」
灰色の髪が床にだいぶつくく位頭を下げる女性。
「俺はソウヤです。よろしくお願いします」
軽く頭を下げる。
(あんなクソ親と一緒の名字なんて言いたくないな…。でも礼儀としては言わなきゃいけないけどコイツらなら何も言わねぇだろ)
「じゃあ、自己紹介も終わったしご飯を作ろ!ボクがおなかすいたしね」
「私達が作るのでルルカ様はリビングで待っててください。クレア、ソウヤ、付いてきて」
「「はい(!)」」
(名字を言わずに済んで良かった…)