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私が魔王になります

想像しただけで気持ち悪くなる描写がありますので苦手な方はUターン!

_コンコン

「?」


(扉をノックした音だけど、玄関かな?それなら呼び鈴を鳴らせばいいものを…)


「玄関の方だな。俺が見て来ようか?」

「いえ、私が行きます」

 リビングの扉から顔を出したノアさん。

「はい。どちら様でしょうか?」

「おはようございます。ノアさん」

「なっ!!」


(ヴァンの声だ!!……メチャメチャ今更だが『ヴァン』と『エヴァン』は似てるな。一字違いだ…)


「エヴァン様、ルル様、ソウヤ、クレアー!!!敵襲よーーー!!!」

 物静かなノアさんにしては珍しく叫ぶ。

その声に皆『何事だ?』とばかりに玄関に集まる。

「まぁまぁ、直ぐには攻撃しませんから。それより立ち話も何ですし中に入れては貰えないでしょうか?」

 皆、渋々といった感じでリビングに招き入れる。

「ありがとうございます」

 

(何か嫌だなぁ〜。何時もと違う他人行儀な感じが特に嫌だ!それに、ルルとノアさんはヴァンの事を睨んでるし…)


「突然、貴方方の家押しかけた事については大変申し訳無いです。それでも、押しかけてまで話したい事がありまして」

「…………」

 エヴァンさんとクレアは興味津々と言った様子だった。

「私がルル様の母親を殺したのは皆さんご存知ですよね?」

 ヴァンの言葉に俺とエヴァンさん以外の全員が頷く。


(ルルカが母親を殺したから、その事については知らないな)


「フフフ」

「何が可笑しいんですか?」

 ルルが怒りを滲ませた声で問う。

「少し嬉しい事がありまして」

 チラリと俺の方を見る。

「私は貴方方に宣戦布告をしに参りました。

ルル様の無能なお父様を殺し、私が魔王になります」

 歌うように物騒な発言をする。

「なら…なら、その前に殺します!!!」

 憎しみに満ちた顔でルルは火の魔法で槍を生成しヴァンに攻撃する。

ヴァンは避けようともせずその攻撃に晒される。そのことにルルは気にせず攻撃して行く。


(一方的でまるで、まるで…!()()()!!)


「っ…!」

 自分が虐められた時の(嫌な)記憶が鮮やかに脳裏に浮かぶ。

切り裂かれた学ランで登校した時は指を指して全校生徒に笑われ、教室に着くと机に『ゴミカス』『死んだ方が世の為になる』『親が社長でいい気になってんじゃねぇ』等など酷い言葉が掘られており、給食の時間では白米の上に大量の虫の死骸が乗せられて、放課後には呼び出され殴ったり蹴られたりする。

これが俺の日常だった。

今思えば吐き気がする程に異常だ。自分が何故あそこまで耐えていたのかが理解出来ない。

それがヴァンの姿と重なる。

ルルには相応の事情があるだろう。親の仇だと思っているのだろう。だがヴァンのあの言葉には嘘が無かった。虐めっ子によく嘘を付かれたり、親が社長だからと嘘を付いて俺を丸め込もうとする輩にはごまんと会ってきた俺だから分かる。だから実際には罪のない人に一方的に攻撃しているだけだ。

「ルル!!!」

 ヴァンを庇うように前に立つ。

「止めて下さい!お願いします!!」

 ルルに向かって土下座をする。

「ソウヤさん…!止めないで下さい!お母様の仇を今ここで取るんです!!!」

「……奏夜。何故止めるんだ?オレはこのまま死ぬつもりだった。そうすれば、一時の感情で生に縋り付かなくて済む」

「それでお前の感情は?」

 土下座を中止しヴァンと向き合う。

「………生きたい。お前と一緒に。だが、一時の感情に流されて計画を泡にする訳にはいかなくて…。今回も急いで準備したから荒くなってしまったし…」

「じゃあ、それで良いじゃん」

「………良くない」

「はぁ〜。それよりヴァン。俺との約束は?」

 ゴニョゴニョと言っていたヴァンの顔色が変わった。

「………それはすまなかった……」

 いきなり萎らしくなったヴァンの姿にルルは驚き完全に攻撃を止める。

「じゃあ、これからは俺と一緒に生きてくれるな?」

「分かった…」

「勿論、ホントの事も言ってくれるよな?」

「……オレはルル様の母親を殺してはいないです…」

 言わされた感が満載だがそれでも否定の言葉だった。

「「!!!?」」

 酷く驚くルルとノアさん。

「???」

 全く分かってない様子のクレア。

「だろうな」

 分かっていたようなエヴァンさん。

「ルルカが引き籠もった日とルルカの母ちゃんが死んだ日が同じだし」

「でも、お母様が死んだら悲しむんじゃ…?」

 ルルが俺が思っていた事を代弁してくれた。

「は?そんな訳無いだろ。クソ親だぜ?しかも、ルルカは第一王子殿下。母親が死ぬなんて些事だろ。だが、ルルカ自身が母親を殺したとなると話は別だ。『死んで清々した』と『殺してしまった』っていう気持ちで引き籠もるだろうな」

 

(おお!流石ルルカ大好き信者(ガチ恋勢)!!!当たってるか分からないけどそれっぽい!!)


「う〜ん。半分正解かな?」

遅くなりました!!

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