釈然としないが
「おはようございますー!」
滑り込むようにリビングに入った。
「…おはようございましゅ…」
「おはようございます!!ソウヤさん!」
「ソウヤ、おはよう。起きたてで悪いんだけど少し独り言を聞いて欲しいわ。ルルカ様が家に居ないのよ。今日はエヴァン様とのデートなのに着飾らないなんて許せないわ…何としてでも家に連れ戻さないといけない…!」
「………連れ戻すのを手伝いましょうか?」
「えぇ、そうしてくれると助かるわ。朝ご飯をチャチャッと食べてルルカ様探しに行きましょう」
俺の『手伝います』発言を待ってましたとばかりの反応だった。
ここからは速かった。
猛スピードでご飯を食べ(完食するまで25分掛かった)、食器を片付け、諸々の家事をしていたら、呼び鈴が鳴った。
「は〜い」
1番手が空いていてる(ルルもクレアも手は空いているがノアさん曰く『ルル様は人前で話す事が苦手ですし、クレアはお相手に失礼をするので論外』だそう)俺が玄関を開ける。
「ルカ居ねぇか?」
「エヴァンさん…?」
『何故ここに?』という言葉が出る前に説明してくれた。
「待ち合わせの場所にルカが居なくてな。どっちかが約束に遅れた場合、ルカの家で集合っていう俺等の暗黙のルールに従っただけだ」
「なるほど…。あ、取り敢えず中へどうぞ」
「スマンな」
◇◆◇◆◇◆
「お茶です」
ノアさんもエヴァンさんが来てしまったからか、ルルカ探しに行く気は失せたようだ。
「おっ、ありがとな!ノア」
リビングにある椅子に座り、お茶を受け取るエヴァンさん。
ノアさんはそれを見届け、キッチンに引っ込んでしまった。
「ソウヤ」
「なんですか?」
「お前はこの家に居る女子の中で誰が1番好みだ?」
至極真面目な顔でトンデモ無い事を言う。
「え…?う〜〜〜ん」
俺もそれに応えるべく本気で考える。
「ノアさんですかね。ルルは俺と話すだけでも苦痛なのかもしれないし、クレアはちょっと…」
(元気過ぎて無理!!!!)
「その気持ち分かるぜ。俺はルカだな」
「でしょうね」
「何で分かるんだ!?」
(バレバレでは?ノアさんなんてエヴァンさんを『未来の旦那様』って朝ご飯前に言ってたし…)
「ルカは初恋だから…。初めての事で顔に出やすかったのか…?」
「あ、初恋なんだ…」
「悪いか?」
「いえいえ、素敵です」
「……釈然としないがまぁいい」




