愚民共!!
「いい加減下ろしてくんね?」
「君の家に着いたら下ろしてあげる」
「……」
エヴァンさんをルルカがお姫様抱っこをし、そのまま森の中を進んで行く。
「ほ〜ら、着いたよ」
「分かったから、下ろせ」
「は〜い」
ルルカはちゃっかり、エヴァンさんの足を魔法で治してから下ろした。
「ただいま〜!」
(やっと、ゆっくり出来る!!!早く、1秒でも早く椅子に座って休みたい!!)
エヴァンさんの家まで来るのに歩いてきた足はもう限界だと俺に訴えてくる。
いの1番に家に滑り込み、流れる様に椅子に座る。
「あ、帰って来たんですね!お帰りなさい!」
クレアの元気な笑顔に癒される。
「うん!ただいま〜!」
ルルカの声がいつもの中性的な声に戻る。
「!!?」
エヴァンさんは酷く驚いていた。
「おい。ちょっと良いか?ノア」
「何でしょう?」
「耳貸してくれ」
「はい」
エヴァンさんがノアさんに近寄る。
「ルカって、何か変なモン食ってた?」
「いえ、ただ猫をお被りになられているだけかと」
「なるほど。ありがとな」
「いえいえ、お役に立てた様で何よりです」
「おい。ガッツリ聞こえてるぞ?」
本人達はコソコソ話しているつもりだっただろうが、最初から全て丸聞こえだった。
「『お』を着けたからって、丁寧語になる訳ないからな。主人に対して猫被ってるって言ってるのと同じだからな」
「「事実でしょう」」
「事実でも、私は王族だ。平伏せ、私が猫被ってるとか言った愚民共!!」
「「ははぁ」」
ルルカの言葉でエヴァンさんとノアさんが一斉に地面に伏す。
(何してんだろ…?茶番?)
「「???」」
俺は呆れて、ルルとクレアは『どうしたんだろう?』と言いたげな顔をしていた。




