助けてほしい?
「あ、まだ、こうなってる理由を言ってなかったな」
「あぁ、そうだな」
(あ、本当だ。そうなった理由を聞いてなかった…)
「ここから少し歩いた先に綺麗な花畑があるんだよ。そこで、花束を作ろうとしてた6歳位の女の子が魔物に出会って、俺が助けようとしてこのザマだ」
「…残念だ。非常に残念。馬鹿みたいに武器なしで戦いに挑んでいたら良かったのに」
「お前みたいな馬鹿な真似はしねぇよ!」
「それは、君から見た私は『馬鹿』だと受け取って良いのかな?」
「あっ、ヤベ…。お許し下さい〜!」
「良いぞ。許してやる」
「ありがとうございやす!!」
(そろそろ、帰って良いかな?どうせ、俺じゃあ花の魔物倒せねぇし。でも、1人で森の中を歩くの嫌だしもうちょっとだけ居るか)
「ん゙ん゙、さぁて、クロ。助けてほしい?」
「うげっ、おい、知ってるかルカ。俺、今月で3回その台詞を聞いたわ」
ルルカの言葉に顔を顰めるエヴァンさん。
「あぁ、知っているとも。まぁ、3回聞いた=3回私が助けたって事だからな」
「あ゙ぁ゙、耳が痛い〜!」
花の魔物もこのやり取りがウザったく感じたのか、エヴァンさんを口元に近づけ、捕食しようとしていた。
「のわっ!!!助けて下さい、ルルカ様〜!!!」
死ぬのは嫌だと言わんばかりの顔で助けを求める。
「良いよ。その代わり、明後日の朝9時に何時ものショッピングモールで私の荷物持ちな」
「その条件を飲むから早く助けてくれ…!」
「はいはい」
ルルカがスタスタと魔物に近寄り、茎の部分を素手で引き千切ると粉々になって花の魔物は消えていった。
頭から落ちるエヴァンさんを空中でお姫様抱っこし綺麗に着地する。
「私に姫抱きされる気分はどうだい?クロ」
「最悪」
とても短い言葉で嫌がっていた。
___*おまけ*___
「そう言えば、何故エヴァンさんをクロって呼ぶんですか?」
「聞きたい?ソウヤ」
「教えて下さい、ルルカ!!」
「フッフッフッ、理由はね…」
「理由は…!」
「理由は、エヴァン・クロティルドの名字から取ったクロ!!」
「それだけ?」
「うん!!」
「なんだぁ」
「はぁ?ソウヤが聞いてきたのに何その態度!!」
「すみません!」
「分かれば宜しい!」
(エヴァンさんとルルカだけが呼び合う特別の渾名がそんな簡単に決められていたなんて…!)




