悪い事?
シャッッ
カーテンを勢い良く開けた反動でそれが翻る。
「朝よ。ソウヤ、起きて」
ノアさんの声でのそのそと起き上がる。
「ノアさん…?」
「そうよ。…あっ!昨日のショッピングモールでお昼前に私達トイレから出てこなかったじゃない」
「はぁ、そうですね…」
(何でこの話をしているのだろう…?)
起きたての脳で考える。
「それは、私がわざと長引かせたのよ。メイクが崩れたって嘘ついて。クレアにも水被せて『濡れちゃったから少しここに居ましょう』って言って。フフ、その時のクレアの顔が本当に面白くて…!」
「?何故ですか?」
「理由を聞いているの?」
「はい…」
「答えてあげるから、ベッドから降りて」
「あっ、すみません」
ノアさんが魔法を使い、俺の身体(服)から煙が立つ。ルルカに貰った服と全く違う燕尾服(執事が着ていそうな服)に着替えさせられた。
「今日は主人のご友人に会いに行くんだからその服でいなさい」
「分かりました」
「ベッドから降りてくれたから理由を言ってあげるわ。理由はルル様が人目を気にせずヴァンに斬りかかって仕舞うから。どうやら、ルルカ様とルル様のお母様の仇らしいわ」
「なるほど…?」
(あの毒親は死んじゃうのか…)
「さぁ、朝食を食べる為にリビングに行くわよ」
「はい!」
リビングに行くとルルカはいつもの服の色違い(ダークブルーのジーンズにダークパープルのパーカー)と昨日着けていたイヤリング。
ルルは黒いロングパーカーワンピだった。
「おはよっ!ソウヤ〜!」
「おはよう御座います」
挨拶をして朝ご飯を食べる。
◇◆◇◆◇◆
「お昼ご飯をクロの家で食べる為のお弁当も持ったし〜、しゅっぱ〜つ!」
全員分(エヴァンさん含め)のお弁当はルルカとノアさんが分担して持っていた。
「えぇ、少し遅れてしまったので駆け足で行きましょう」
「ごめんなさい…。私の準備が遅れてしまって…」
凹むクレア。
「全然大丈夫だよ〜!それより、走って行こう〜!」
ルルカなりの励まし方をしていた。
_10分後
「はぁ…はぁ…」
「大丈夫?ソウヤ」
10分間もずっと小走りしていたのにピンピンしているルルカ、少し疲れが見えるルル、暑そうにするノアさん、走り足りない様子のクレア。そして、肩で息をし、限界が近い俺。
「ん〜、じゃあ、楽しい事でもする?そうだなぁ〜、あっ!山手線ゲ〜ム!負けた人はボクが持ってるお弁当を持ってね〜!順番は〜、ボク→ルル→ノア→クレア→ソウヤで!お題は…野菜!」
「はい」
珍しくノアさんがやる気満々だ。
「よ〜し!最初はボクから!」
パンパン
「カボチャ!」
パンパン
「と、トマト…」
パンパン
「ほうれん草」
パンパン
「キュウリ!!」
パンパン
「な、茄子」
_12分後
パンパン
「……もう無いです…」
俺が負けた。ルルカはマニアックな野菜から俺でも知っているような野菜まで知っていて、ルルもそこそこ知っているみたい、ノアさんも料理をしているからか大分知識があった。クレアと俺が同じ位だったが、順番的にクレアの方が早いので、俺が思いついている野菜を片っ端から取られた感じだ。それでも俺は頑張った。
「じゃあ、ボクが持っているお弁当持ってね!はい!ど〜ぞ!」
「うっ…」
いい笑顔で、6人分のお弁当を俺に渡してきた。(因みにノアさんが持っているのはデザートだ)
「今気づいたけど、お姉ちゃんって確か…山手線ゲームが得意だったような…?」
(あ!!そうだよ!昨日のショピングモールで長時間に渡って対決してたじゃん!!)
「フフッ、山手線ゲームで、お弁当を押し付けるのは悪い事?」
悪い笑みで開き直る、ルルカ。
(疲れた俺に重たい弁当持たせてる時点で悪いだろ!でも、俺が負けたのは事実…。クソ…!ぐうの音も出ねぇ…)




