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何の騒ぎかな〜?

「『名前を知ってるなんて!?』と驚いてくれました?しかし、誰しも気になる相手の情報は事前に調べるものです。なので、(わたくし)が貴方の情報を知っていても可笑しくは無い」

 目を細めたまま気味が悪い笑みを貼り付ける。

「だ、誰ですか?人違いでは?」

 動揺が少し声に出る。

「フフ、そんなに怯えなくても大丈夫ですよ?この銃で痛み無く殺して差し上げますから。中学校の屋上から飛び降りるほど死にたかったのでしょう?」

 ピストルをコートのポケットから出しカチャリ、カチャリと弾を入れていく。


(死ぬ…!!!生きるのも悪くないなと思った矢先に…。これは罰なのか…?俺が命を粗末に扱った罰。死んで当然なのかも知れないけどそれでも…それでも、俺は()()()()!!)


「さて、何か言い遺したいことはありますか?やりたい事でも良いですよ」

「え〜と、何かあったっけな〜?」

 惚ける振りをしつつこの絶体絶命な状況を抜け出す糸口を探る。

「あっ、人生最後にルルカやルルと超高級アイスが食べたいなぁ〜」

 チラッ。


(あいつ等なら何かしてくれるだろう…!そうに違いない!!!)


「ククク、そう来ましたか」

 俺が何か仕掛けてくるのは見透かされていた様だがルルカ達を巻き込むとは全く想定していなかったんだろう。

「何の騒ぎかな〜?」

 ルルカが女子トイレから出てきた。

「あぁ、ヴァンか。朝ぶり」


(『朝ぶり』!!?って事はやっぱり知り合い!??)


「はい。朝ぶりですね。私との闘いの傷は癒えましたか?」


(この人と戦ったから満身創痍だったんだ…。となると着替えが遅かったのもそういう事なのかな?その前に俺を助けてほしいんだが?銃も下ろしてくれないし)


「全然癒えてないけど?」

「そうですか。まぁ、家に辿り着けただけマシでしょう」

「着替え終わったタイミングで失神したがな。そんな事より、ボクの大切な『家族』に向けている銃を仕舞ってくれないかな?」

「私に無条件で手を引けと仰るのですか?」

「そう言うと思った。だから、勝負だ!!!」

「はい、その勝負受けて立ちましょう」

 やっと銃は下ろしてくれたがポケットに仕舞はしなかった。

「よし!!じゃあ、山手線ゲームでボクが勝ったら何もせず帰れ。君が勝ったら君の夢のお手伝いをボクがしよう」

「分かりました。それで良いですよ」

「じゃあ、お題は魚!最初はボクから!」

パンパン

(すずき)!!」

パンパン

「ヒラメ」

パンパン

「鯛!!」

_40分後

パンパン

「ムラサキダコ!」

「もう、思い付きませんね。私の負けです」

「やった〜!ボクの勝ち!君は()()()んだからさっさと帰って!!」

 ヴァンと呼ばれていた男性は『負けた』と言う言葉に一瞬だけ眉間に皺を寄せたが、直ぐに笑顔に戻った。

「はい。では」

 煙に巻かれて消えてしまった。


(消えた…?あの長ーい長ーい戦いに負けて?はぁー、やっと解放された…!)


「直ぐに助けに来れなくてごめんね。でも、この事はルルに言わないでね」

「分かりました…。けど…」

「うん?何か言った?」

「いえ、何でもないです…」

 ルルカの恐ろしい捕食者の目に俺は怖気付き『何故ですか』のたった5文字が喉に張り付いて声に出なかった。


 ___*おまけ*___

「クロ〜!!」

「何だ?ルカ」

「山手線ゲーム!!!お題は〜、でけでけでけでけテテン!!好きな物!!」

「いいぜ。俺からな」

 パンパン

「おかかおにぎり」

 パンパン

「林檎ジュース!」

 パンパン 

「菓子パン」

 パンパン

「クロ!!!」

「なっ!!!?」

「嫌?」

「嫌じゃない…。俺も好きだぞルカ」

「うん!!ボクも大好き〜!」

「のわぁっっ!!飛びついてくんな!!グァッッ!!」

ズザッッーーー!!!

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