表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/66

出来損ないだから…

「こんな事も出来ないのか」

「はい…申し訳ありません…。お父様」

 

(あれ?なんか聞き覚えがあるような声だな…)

 

 ゆっくりと目を開けると昨日に見た夢の(女性が双子を抱いていた)場所に似ていた。


「簡単なことじゃないか。魔法を的に当てて壊すだけだろう?」

 

(昨日と連続で似たような夢を見るなんて…。体も半透明だし…。あ、この人『後継はどうするんだ!』とか叫んでた男性だ!それにルルカに似た子が怒られてる。何でだろう?)


「お父様。今戻りました」

 腰には、ぎり届かなそうな手入れが行き届いた白髪、青い瞳の女の子がおずおずと部屋に入ってきた。

「魔法の試験は?」

 男性が低い声で尋ねる。

「1発で壊してきました…」

 堂々と背筋を伸ばして答えた。

「お前の妹は出来ているぞ!それなのに何故お前は出来ない!!」

「申し訳ありません…」

 威圧する男性に萎縮してしまっているルルカ似の子。

「お父様!!お姉ちゃんは魔法の試験の時に手を抜いていたから壊せないのは嘘だと思うし!怒鳴らないであげてよ!!」

 ルルに似た子が叫ぶ。

「良いんだよ、☓☓。私が出来ないのを庇ってくれたのは嬉しいけどね…。所詮、私は魔法がショボい出来損ないだから…」

 眉をすぼめて悲観した様な雰囲気のルルカ似の子。

「庇っている訳じゃなくて!私、見たもん…。お姉ちゃんが夜な夜な魔法で作り出した火の玉で的を壊している所見たもん!!」

「本当なのか…?」

 男性が不信感を抱いたらしく声をかけた。

「☓☓〜!ちょっと良いかしら〜!」

 甘く優しい声が響く。

「お母様。はい、どうしましたか?」

 

(ルルカ似の子とルルに似た子を抱いていた女性だ…!)


「お話があるから空き部屋に行きましょ」

「はい。分かりました…?」

「☓☓☓も来たいなら来てもいいわよ〜!」

「はい。直ぐに一緒に行きます…」

 顔を青ざめて付いて行くルルカ似の子。


バタンッッッ


「何考えているのよ!!!☓☓!!!」

 部屋に入った途端に豹変する女性。

「え…?お母様…何故怒っているのですか…?」

 ルル似の子は混乱している様子だったが、ルルカ似の子はこの事が分かっていたかの様に女性の前に立った。

「申し訳ありません。☓☓様。私の不手際です」

「良いのよ〜、☓☓☓は。だって私が言った通りにしてくれているもの〜!悪い子はこの子だけ!!!」

 女性はルル似の子を思いっ切り蹴り、蹴られた子は壁に背中を打ってしまっていた。

「痛い…。痛いよ、お母様…。何で蹴ったの…?」

「五月蝿い!!従順じゃない子どもなんていらない!!」

 更に蹴る、蹴る、蹴る。


(うわっっ…。虐待はダメだろう…!その前に酷くね?俺のお母さんもここまで酷くないよ…)


「お前なんか私の子じゃn」

 我慢が出来なくなったのかルルカ似の子が女性の口元を片手で塞いだ。

「アンドレア」

 口を塞いだまま誰かの名前?を言った。

「お呼びでしょうか?」

 騎士の服に身を包んでいる短髪でバーミリオン色、瞳は綺麗なオレンジ。ガタイが良く身長174センチの男性が扉を開けて中に入ってきた。

「☓☓をここから出来るだけ遠くの部屋に案内してあげて」

「承知いたしました。では、行きましょう」

 ルル似の子の手を引き扉の外に出ていった。

「何するのよ!!!この私に!!」

 ルルカ似の子の手を振り払い女性が怒鳴る。

「申し訳ありません。☓☓様、私の言い分を聞いてはくれませんか?」

 腰を折り、さながら執事の様なお辞儀だった。

「フン、良いわよ。聞いてあげる」

「有難うございます。まず、☓☓は貴方様の思惑を何も知らない事を前置きしておきます。それに、事の発端は私にあります。もう少し私が気を付けていればこんな問題は起こらなかったでしょう。全ては私の注意不足。罰するならどうか私だけにしてはくれませんか?」

「全部の責任をあなたが取るの?」

「はい。覚悟は出来ております」

「あらそう〜!じゃあ、遠慮なく殴らせてもらうわ!!」

 綺麗な右ストレートがルルカ似の子の頬に当たる。

そこからはもう酷くて酷くて見ていられたものではなかった。蹴ったり、物で殴ったり。ルルカ似の子は一切抵抗せずただただされるがままだった。

「気が済んだわ〜!もう良いわよ!やっぱり、☓☓☓は従順で良い子ね〜!」

「お褒め頂き恐悦至極でございます」

 至る所が字だらけだが、それでも女性を畏怖の目や憎悪の目でも見ずお辞儀をしていた。

「じゃあ、その字を隠してから出てきなさいね〜!」

「はい」

 女性が外に出てからルルカ似の子は魔法を使い体を治して3分も立たないうちに字が全て無くなっていた。その後すぐに独り言をブツブツと言い始めた。

「あの方はどうしてお父様…いや、魔王様に執着するのだろうか?意味が分からない。だって」


_直ぐに死んでしまうのに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ