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今、行きます

「ボクは虐められてはいたけど言いたくない理由は分かったから言わなくてもいいよ!」

 ぬくぬく育ったはないと暗に否定しつつ笑うルルカ。


(お、怒られなくて良かった…。今度から発言には気をつけよう)


「まっ!取り敢えず午後は自由にど〜ぞ!3時にはおやつがあるから食べたいなら下りて来なよ!」

「はい…。じゃあ私は、へ、部屋に居ます」

 ルルはそれだけ言い部屋に戻っていった。


(俺も部屋に戻るか)


「暇だなぁーー」

 ベッドに横たわる。


(あぁ、まだ1時か…。そう言えば、昨日ルルカが着替えと一緒にノートと筆記用具をくれたな…。何か書くか!)


 椅子に座りノートを開く。


(何書こうかな…。あ、今の生活で変わった事と変わってない事を書くか!)


 ノートの真ん中に定規で線を引き、左に変わってない事、右に変わった事とそれぞれノートの上らへんに書く。


“変わってない事”

・言葉

・髪色や瞳の色

・身長や体重

・性格

“変わった事”

・五感が良くなった(主に聴力、嗅覚、視覚)

・運動神経が上がった

・ほんの少し力が強くなった

・魔法とやらが使える

・生きたいと思えるようになった


(こんなもんかな!)


「ソウヤ」


(ノアさんの声だ)


「はい、どうしました?」

 扉を開けるとノアさんがピストルを俺の右手に握らせる。


(これで誰かを殺せとか言い出さないよね!?ピストルなんてモデルガン位しか触った事ないよ!?)


「ルルカ様が仕事に行くらしいから付いていきなさい。それはあげるわ」

 メイド服の裾を翻し、下に降りてしまった。


(……は?何でこれを持っていかなきゃいけなんだ?もしかして、ルルカって暗殺者とか?その仕事を見に行けと言ってるのか?)


「ソウヤ〜!付いて来るなら早く降りて来て〜!」


(YES以外しか選択肢無さそう…。もしかしてノアさんは『ソウヤが付いて行きたいって行ってましたよ』とかルルカに言ったのかな!?でも、断って何か言われたら嫌だし…。仕方がない腹を括ろう)


「今、行きます」

 重い足取りで階段を降りる。

「おっ!来た来た!ピストルの打ち方は行き道教えたげるね!」

 いつもの服(黒色のジーンズに灰色のパーカー。今日もこの服だった)とは違い黒いスリムパンツ、紺のシャツ、黒のジャケット。全て男性物ぽかった。


(やっぱり、暗殺の仕事かもしれねぇ!こんなに全身黒い服ルルカは普通着ないっしょ!絶対血を目立たなくするために来てるんだ…)


「じゃっ!行こっか〜!」

 いつもの快活な笑みの後、俺に期待と願望を込めた目を向ける。


この時の俺はその目に…否、その奥にあるルルカの野望すら分からなかった。

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