ルルカ!!!
「ルルカ!!!」
リビングの扉を勢い良く開け、叫ぶ。ノアさん、クレア、ルルカが大きな声をだした俺を一斉に見る。
「何なんですか!あの部屋はムキムキで高身長のおばさんでも住んでるんですか!?」
捲し立てる。
「キャハッ、ソウヤ君はボクの事呼び捨てで呼んでくれた!う〜れし〜い!じゃあ、ボクもソウヤの事呼び捨てにするねっ!」
右手をパーにして口元に当て喜んでいる、ルルカ。
(くっ、こいつを敬いたくなくて呼び捨てにしてたのが露見したが、結果オーライ。次からは堂々とルルカを呼び捨てで呼ばせて貰おう!てっ、そうじゃない!あの凸凹扉の部屋に住んでいる人物について少しでも知れば怖さが和らぐかもしれないからルルカに聞こうと思っていたんだった!)
「じゃっ、朝ご飯た〜べよ!」
「「はい(!)」」
(まだ全然聞けてないんだけど!?でも、何時でも聞けるし後にするか?お腹減ったし…)
「「「「ご馳走様でした(!)」」」」
(ふー、満腹、満腹!じゃなかった!俺の意思の強さも朝飯には敵わなかったか…。さぁ!気を取り直して凸凹扉の住人について一番知ってそうなルルカに聞こう!)
「あの、少し良いですか?」
「いいよ、なぁに?」
「一番奥の部屋には妹さんがいらっしゃると言ったじゃないですか。どんな方なんですか?」
「ん〜と、人を前にするとあんまり喋れなくなって、あ、ボクにもね。それと力が強くて魔法は苦手だけどそこそこ強い人、かな」
「へぇー、そうなんですか。ありがとうございます」
「どういたしまして!」
厨房に行き、皿を洗えとノアさんに指示されたから八つ当たりと言わんばかりに激しく洗う。
(くそぉぉぉ!全然怖さが和らがなかった!力が強いって頑丈な扉が壊せる位なんだろ!?寧ろ怖さが倍増したわっ!)
「ソウヤ、外を箒でクレアと掃きに行って」
皿を洗い終わった時にノアさんに次の指示をされた。
「はい、分かりました」
「分かったよ!ノア!任せて!さぁ、着いてきてください!ソウヤさん!」
若干遅れを取りつつも付いて行く。クレアが外に出る前に玄関の籠から何か取った。
「どうぞ!ソウヤさんの分です!」
「ありがとうございます。後、俺はクレアさんより遅く入ったのですから敬語はいりませんよ」
「いえ!ソウヤさんはルルカ様の最後の希望らしいので、ちゃんと敬わなくちゃいけないと思ったんです!」
「希望ってなんのですか?」
「あっ…!何でもありません!本当に何でもないです!とにかく私はソウヤさんを敬わなくちゃいけないんです!」
「そ、そうですか…」
クレアの気迫に気圧されたのでそれ以上は聞かなかった。
40分後
「ソウヤさん!暇なので私に何か質問してください!」
(えー?さっきまで無言で黙々と掃いてたじゃん?いきなりどうしたんだよ?)
「えーっと、そうですね…。んーと、何でメイド服を着るようになったんですか?」
「それはもちろん、可愛いいメイドさんに憧れたからです!私達は元々私服でここに居ましたけど、『メイドさん、可愛いなぁ』っと思ったので!ノアにも一緒に着ようよって誘ったら2つ返事でオーケーだったので!」
「ルルカにお勧めされたとかではないと?」
「はい!ルルカ様は可愛い美女より麗しい美男の方がお好きです!」
(それって、要するに顔がいい男性の方が好きって事だろ?ルルカって…。もしかして面食い…?)
「はははっ、そうなんですね…」
思った事が顔に出ないように気を付けながらクレアに返事をする。
「掃き掃除終わった?」
玄関からヒョッコっと顔を出し聞くノアさん。
「あらかた終わったよ!ノア!」
「じゃあ、ご飯にしましょ。手を洗ってリビングに来て」
「分かりました」
「分かったよ!」
洗面所に向かい昨日シャワーを出した要領で魔力を込める。
ジャバッ
「おぉ!昨日は出来ていなかったのに凄いです!」
「あはは、ルルカに教えて貰ったんですよ」
苦笑してやり過ごす。
(でも、ちゃんと適量が出て何だか嬉しいな)
心の中で喜びを噛みしめる。
リビングに行き、ノアさん特製昼食を食べる。
(食べ終わったし、皿洗いでもするか!)
「ソウヤ、一番奥の部屋の食器を回収してきて。『お皿、下げますのでください』って言えば手だけ出てきてお皿をくれるはずよ」
「えっっ!わ、分かりました…」
(奥の部屋は不気味だし怖いし、奥だから逃げるにしても階段から遠いし…。あ゛あ゛行きたくねぇーー!)
階段を上り、凸凹扉の前で深呼吸する。
(大丈夫だ。『お皿下げるんでください』って言うだけ…。大丈夫、大丈夫…)
ギィィィ
(ひっっ!と、とと扉が嫌な音を立てて開いた!)
ジリジリと後ろに下がる。少し開いている扉の隙間から何かが出て行った。
(だ、だだだ、誰だ?まさか凸凹扉の住人が出てきちゃった!?)
凸凹扉の住人が何処にいるか気になり辺りを見回す。
(何処だ?何処に行ったんだ?)
ものすごい勢いで何かが俺の目の前を横切る。その何かは右の壁に張り付いて止まった。
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