幕間
俺は、少しでも世界を知ろうと、旅を続けていた。
人族が闇属性を忌み嫌っている現状も目の当たりにした。
彼らにとっては当たり前のことだろうが、真実を知ればどんな気分になるのだろうか。
当たり前のことには、当たり前になった理由が存在することを、考えたことはないのだろう。
初めは一人で活動していた。
だが、旅を続けていく内に協力者ができた。
詳しい素性も分からないが、目的が同じということだけは分かっている。
お互い情報を送り合う関係だが、こっちは言われた情報を集める程度で、協力者からの情報に釣り合っているとは思えない。
それでも、協力してもらえることは助かるのだが。
協力者ができたと言っても、結局のところ、旅は一人で続けている。
俺が今更表に出るわけにもいかないし、それならひっそりと、裏で動いたほうがいい。
その方が、都合が良いことが多い。
「それにしても、ちょっとぐらい休んだ方がいいかな」
俺は朝の野営地で、軽く伸びをして身体をほぐす。
ここのところ、自身が常に張り詰めていたのを感じる。
実際、すでに奴らが大がかりな動きを見せていたし、どうしても気になってしまう。
だが、俺には手を出せる領域ではない。
強引に干渉することもできなくはないが、俺がわざわざ助けに行かなくても、何とかなるだろう。
だったら、いっそのこと少しぐらいは遊ぼうかと思う。
場所はやっぱりヒューゼ王国にしよう。
ヒューゼ王国の街にはしばらく訪れていないので、今からちょっと楽しみになってきた。
それに、あそこには会ってみたい奴もいる。
簡単にしか話は聞いていないし、折角だから、ちょっとぐらい接触してみてもいいだろう。
むしろ、それが得になることもあるかもしれない。
俺は、支度を終えて、野営地を出た。
問題は彼らに任せるとしよう。
旅人の旅は、一旦ここで休憩だ。
「しっかりやれよ」
俺は一人呟いた。




