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相変わらず稚拙ですが楽しんで書いています。
「さぁて、サクッと秘宝を頂くとするか!」
「ああ、そうだな」
「さあ、ロンドン伯爵よ秘宝をだせ!」
ロンドン伯爵は地下室の一番奥にある秘宝が乗っている台座を指差した
「これが、秘宝か?おい、触ると何かしらの仕掛けがあるんじゃないか?」
「私以外の者が触ると・・・トラップが作動する用になっている」
「やはりな、ではさっそくトラップを解除してもらおうか!」
ここでタイミング悪くキャロが目を覚ます、もうろうとした意識の中で勇者が秘宝に近づいているのが見えた
「それはダメェー、それだけは触ってはいけない!」
「チッ、娘が目をさましやがった!アーサー急げ!」
「ゴステロ、口に何かつめろ」
横でズールがぼやく
「お父様!それは!ムゴッ・・ウゥッ・・アァッ」
何か大事な事を言う寸前にゴステロに猿ぐつわをされてしまうキャロだった
「邪魔が入ったが、まあいい、さあ伯爵トラップを解除しろ!」
伯爵はキャロを一瞬だけ見ると小さな声で一言
「すまない、キャロこの方法しか勇者を倒せない、すまん」
「今、トラップを解除する!」
それを見ていたゴステロはズールと何か話し始めた
「なあズールよあの秘宝本物か?」
「見た感じ凄まじい魔力の塊なのはたしかじゃ」
グレンは腕を組ながらこの様子を観察していた
「へへっやっと手に入れる事が出来るな」
アーサーは無造作に秘宝を掴んだその瞬間、魔法陣が出現した!
「おい、どうなってやがる、ズールこれはなんの魔法陣だ?」
ゴステロは挙動不審な動きをし、グレンは微動だにしない
アーサーは怒りに震え伯爵を見る
「やってくれたな伯爵!」
その時ズールが叫ぶ
「アーサー!これは召喚魔法だ!気をつけろ、何か来る!」
伯爵は真剣な表情で話し始めた
「お前達は、ここで私と死ぬ事になる、私はトラップを解除したのではなく、今、トラップを発動したのだよ!」
「グレン、ズール、ゴステロ、撤収だ秘宝は手に入れた、脱出する!」
アーサーが叫ぶ!
「無駄だここの魔力と連動して扉開かなくなる、しかも扉は魔力によって強化されている」
「くそっ!」
「ズール何とかならんか」
「無茶言わんでほしいわ、魔力があの魔法陣に吸われている!」
「なんだと!」
「アァ、アーサー何かでて来やがった❗」
なんと巨大な魔方陣からゆっくりと出てくる巨大な怪物、それは頭はドラゴンその下半身は無数の蠢く触手まるでイソギンチャク!
「な、なんじゃこりゃ、なんて出鱈目な造形じゃ」
ズールは驚きと興味で少し興奮していた、彼もまた魔法使いなのである、召喚魔法には少なからず興味がある
「ゴステロ!その娘を怪物の方に投げろ!囮にする!」
ゴステロは足をバタバタさせて暴れているキャロを力まかせに怪物の方に投げた!
「ウグッ・・」
激しく地面の上を転げ回るキャロあまりの痛さに気を失いかけたが何とか堪えている
「キャロ!」
ロンドン伯爵は目の前の怪物の事など忘れたかのようにキャロに駆け寄る!
「すまない、キャロ巻き込んでしまったな、最後は一緒にいよう」
ロンドン伯爵は優しい笑顔でキャロに微笑んだ、そしてキャロの猿ぐつわを外し、キャロを庇うように上に覆い被さった
突如としてイソギンチャクの触手が暴れはじめて壁や天井を壊し始めた
「や、ヤバいぞアーサー!天井が崩れ始めた!」
「わかっている!」
触手がアーサー達を狙い始めた!
「くっ、ゴステロ避けろ」
次々と襲い来る触手アーサーは剣で捌きつつ後退するが、ゴステロは今まさに脅威にさらされていた
「俺の自慢の盾で受けてやるぜ」
「よせ、ゴステロ!」
アーサーは無謀なゴステロを止めたが如何せん自分の事で精一杯で足止めを食らっている
ゴステロは自分の頭の上に大きな盾を構えたが轟音と共にその姿を消した
「ズール!、グレン!何とかしろ」
アーサーは吠えたがグレンは微動だにしない
「あの怪物何処かで・・・そ、そうじゃたしか師匠の図鑑に・・思い出した!」
「アーサーあれは破壊神の最下級の眷属じゃ!奴一匹で国が滅ぶ!」
「なんだと!、くそっ、せっかく他の勇者に差をつけれると思ったのに!ロンドン伯爵め」
「まさか眷属を見られるとは、師匠の悔しがる顔が浮かぶわい」
そして上半身のドラゴンも動きだす、ガバッと開いた口をズールに向けると豪炎とも言えるブレスがズールを襲う
「ヒッ!」
ズールは膝から下を残し蒸発した
アーサーは堕ちてくる天井の欠片や触手を避けながら脱出方法を考えていたが、あることに気づいた
「奴は俺達に攻撃はするものの、本気ではないようだ、何か目的があるような・・・」
その時巨大な魔力が膨れあがると同時に空中に魔法陣か十二箇所で浮かびあがる
「な、何が始まったんだ」
グレンがピクッと初めて動いたがまだ腕を組んでいる
眩しい光と共に其処に現れたのは十二の扉
「まさか、あれは別世界に行く扉か?、私は別の世界の人々にも迷惑を・・・・あの扉から、違う世界にいくつもりか?」
ロンドン伯爵は後悔をし始めた、娘を巻き込み、他の世界まで巻き込んでしまいそうな現状を
「奴が他の世界に行くなら、脱出するチャンスはあるな!」
アーサーは己の幸運に感謝した、そして触手が扉の一つを開けたのだった
「ガチャ、ギィー」
扉が開いた
「ライ○ーキィイイイイイイイイック!」
なんとそこにはマンホールに落ちた龍次がいた