カゾク
「いや、今日はやめとく。ごめんね。」
と、俺は青年の誘いを断った。
なんか、ついて行ったらもう二度と出られない気がしたから。
「えっ、なんで。」
青年はショックを受けたようだった。
「…やっぱり君もほかの人たちと同じなんだね。ほんとに残念だよ。」
本能的にこれは逃げなければならないと悟った。
すぐに俺は逃げようとした。
しかし、時すでに遅し。
目の前に青年が現れた。
「逃がさないよ」
そう言って俺の首を掴んできた。
「君ならすんなりついて来てくれると思ったのになぁ…。」
心なしか少し悲しそうな声色だった。
だんだん首を掴む力がだんだん強くなっていく。
息が、できない…
苦しい
助けて
なんか、ぼーっとして来た。
なんかおかしい。
あれ、だんだん視界が暗く…
「ふふっ、おやすみ。これで君も僕のカゾクの一員だよね。カゾクが増えて嬉しいなぁ。早くほかのカゾクにも紹介しなきゃ。」
そう嬉しそうに言うと青年は、脱力した人間を慣れた手つきで病院の中に運んでいった。
さて、この病院の中には一体何があるんでしょうね。
興味がある方は入ってみてください。
運が良ければもしかしたら青年のカゾクになれるかもしれませんよ?
青年のカゾクになりたい方は是非この病院に行ってみてはいかがでしょうか。
読んでいただきありがとうございました。