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第10話 襲撃者

子爵が薬の整理をしていた時に事件は起きる


バァン!!

突然、ドアが壊れる音がして子爵が駆けつけるとそこには3人の男がいる


「な、何だ君たちは!勝手にドアを壊して、おまけに何の断りもなく家に侵入するとは、警備局に通報するぞ」

「やれるもんなら、やってみな。おい、やれ」


リーダーと思われるがたいの大きい男が命令し、残りの2人は子爵を襲わず後ろにあった薬を保管している便を次々と割っていく

「ちょ、ちょっと!何てことしてくれるんだ」

「おっと、子爵。ここで抵抗されちゃ困るんでね」

男は子爵の腕をつかみ抵抗できないよう後ろへひねる

「は・・・、離せ・・・。・・・な、なにが目的だ?」

「何だと思う?当ててみな」

ニヤニヤと笑う男


子爵は必死に抵抗するが、男の掴む力が強く動くことすらできない

「アニキ、終わりやしたぜ」

「倉庫にあった薬草や薬も全部燃やした。あとはそいつだけだ」

「よし、仕上げに掛かるか」


男3人は腰に掛けていた短剣を引き抜き、子爵の両太ももと右肩に刺す

「あああああぁぁぁぁぁああぁぁ~~!!!!」


「イヒヒ、こいついい声で鳴きますねぇ~」

「まだ、始まったばかりだ。ここからが俺たちの楽しみなんだ」


「・・・ウグッ、・・・い・・・、いた・・・い・・・」

「おいおい、ここで痛いとか弱音を吐かねぇでくれ。さぁて、次はどこにしようか」

「アニキ、目玉はどうですかい」

「お前、随分グロな要望だな」

「ヘヘヘ、俺は魔物や人の目玉をコレクションにしてるんでこいつも追加でお願いしやす」

「それはお前がやれ」


「・・・ど、どう・・・して・・・、こ・・・こん・・・な・・・」

「何故だか教えてやろうか?この世に薬師なんていらねぇからだ」

「・・・・・・!」

「今や治癒魔法がどんな怪我や病気も一瞬で治る。が、てめぇが作る薬は効果が遅い。そんなことはてめぇ自身が分かってるはずだ。当然、薬は売れねぇ、収入もねぇ。なのに、こんなところでのほほんと薬を作ってるなんざアホとしか言いようがねぇ。こんなアホはすぐに消えるべきだ。おい、ギーザス」

「任せろ」

ギーザスと呼ばれる男は、背負っていた大剣を振り上げて

「あばよ」

狙うは首

振り下ろす前に


「待て!!!」

僕が大声で止める


「何だ、女か。カモがまた一人増えたぜ」

「・・・女?僕は男ですよ」

「男だぁ!?どう見ても女にしか見えねぇぜ。お前もこのアホと同類か?」

床で血まみれになっていた子爵を見て、僕はキレそうになる


「その人は僕に依頼してきた人ですよ?こんなことして許されると思ってるんですか?」

「てめぇ、ギルドの掟を知らねぇようだな」

「掟?」

「やっぱりな。新人みてぇだから、教えてやる。掟の一つに“ギルドに属する者はどんな事情があっても依頼者を傷つけてはならない”がある。が、俺たちはこいつに依頼された者じゃねぇ。つまり、こんなことをしても俺たちは掟破りにはならない」

「成程」

「分かったか?」

「それを知ってるってことは、あなたもギルドに属している人ですか?」

「ああ、そうだ」


後ろの二人は動揺し、男に話しかける

「ちょ、アニキ!?自分たちが冒険者だってバラしてどうするんですかい?」

「何やってんだ、それでもリーダーかよ」

「う、うるせぇな。興奮してついな・・・」


「アホなのはあなたたちのようですね」

男のこめかみに青い筋が走る

「・・・ほぅ、どこがアホだというんだ?」

「さっき、あなたは掟破りにはならないって言いましたよね?でも、ギルドに属する者という事はあなたたちもその中に入っていますよ。つまり、完全な掟破りです。そんなことも分からないとは、幼稚ですか?」

男の青い筋はさらに増え

「・・・なら、俺たちが掟破りしたってことがばれないようにてめぇを葬る必要があるな」

男は右手を前に出して

「炎よ 我の声に応えたまえ 願いしは降り注ぐ炎の矢 顕現せよ」

詠唱魔法でファイヤーボウ(炎の弓)を出す


僕はそのスキに、風魔法ウィンドウィング(風の羽)を無詠唱で発動し瞬時に男の前に来て

「・・・なっ!!?」

オリジナル魔法ウィンドエッジ(風刃)で両手首を斬り落とす

「う・・・、うぎゃあああぁぁああぁあ!!!・・・お、おおお俺の手がああぁああぁぁぁああ!!」

「お、落ち着いてくだせぇ。いま治癒魔法掛けますんで」

そうはさせまいと僕は残りの二人にも男にかけた魔法で同じように斬り落とす

「イイイイイテェェエエエェエエエ!!!」

「あああぁああぁああああああああああああああああああああ!!!!!!」


「しばらく生き地獄を味わえ」


子爵の家は血まみれ屋敷となってしまった



僕は子爵に駆け寄り

「子爵、しっかりしてください!」

「リ・・・、リー・・・ヴェル君」

まだ意識は残っている。早く助けないと

しかし、薬は男たちによってぐちゃぐちゃになっていた

これでは使えない


なら、残る手段は治癒魔法しかない

でも、今まで使ったことがない僕がやっていいのか?

もし、失敗したらどう責任を取ればいい

そんなことが頭の中で思考回路がぐるぐると回転

もう猶予は残されてない


「子爵、今から治癒魔法掛けますが、僕はまだこの魔法を使ったことがなく効果はどうなのかもわかりません。ですが、あなたを救えるのは今はこれしかないのです。」

「・・・いい・・・」

「え?」

「かけ・・・て、・・・いい・・・」

「・・・分かりました」


子爵の言葉を受け、僕は刺された箇所に治癒魔法をかけていく

すると、傷はだんだんと消えてなくなった


「こ、こんなに早く消えるのか」

自分でも驚いた

が、まだ安心はできない

子爵が言ってた言葉を思い出す

「治癒魔法はいかなる病やケガもあっという間に治せるんだからな」

その言葉は本当なんだろうか?


「・・・リ、リーヴェル君?」

「よかった、意識が戻ったみたいですね」

「ここは・・・?」

「子爵の部屋です。僕が治癒魔法をかけて意識が戻るまでここで待ってました」

「そうか、ありがとう。あの3人は?」

「一応、ロープで縛ってます。マスターや警備局の人に通報してます」

「ごめんね、こんなことになってしまって・・・」

「いえ、子爵のせいではありません」

「さて、傷も治ったし動けるかな」

「ちょっ、まだ動かない方がいいですよ。あなたは出血が多くて、貧血気味ですよ。」

「・・・すまない」

「足とかは動かせますか」


子爵は足を上げようにもびくともしない

「治癒魔法の掛け方が間違ったのか?」

「いや、痛みは無いから君の掛け方は合ってると思う」

それでも、子爵の足は上がらないまま

もしかしたら、これが治癒魔法の欠点なのかもしれない


どうも、茂美坂 時治です

10話目に入りました

何話まで続くんだろうと今もストーリーをひたすら練っています


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