表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
方言  作者: 乃崎アラレ
5/7

俺と真と怒りとビンタ

俺の前に立って息を荒くしていたのは、真だった。


「やめたほうがいいんじゃねぇ??」


静かに真が言う。


明らかに、キレている。

完全に頭にきている。


なぜだ。真だってこんなに不器用じゃなかったはずだ。


なのに……なぜ…。


明野の力って、すげぇのかもしんない。


「……痛……。し、ん……君?」

茜が動揺している。無理も無い。


真はクラスメイトにキレたことがない。


怖い。真がキレたら怖い。


何が起こるか、分からない。

「明野が切れる前に、俺が先にキレたほうが

 いいと思ってよ」


薄笑いを浮かべながら真がいった。


「お前さあ。

 この前言ってたよなぁ。

 陽に逆らう奴以外は絶対に絞めない。約束する。って」


「え……あ…その…」


「これってさぁ、約束破りなんじゃねぇの」


真顔に戻る。


「そのくせして何で間宮虐めてんだ? なんで美雪殴ってんだ? あ?」


胸ぐらを掴む。


怖い。俺さえ怖いと思った。


「ちょ、待ちぃ。真」


美雪が口をはさんだ。天の救いだ、と俺は思った。


真にあれ以上切れられたらとんでもないことになる。


茜の胸ぐらから真の手が離れる。


「大阪だな、やっぱ。すぐに口をはさみやがる」


「黙り。あんたには関係ないこととちゃうの?

 あんたが皆本さんを殴る権利ないんよ?

 それを、あんたは」


パンッッ


ビンタ。


真が顔をしかめる。


「女の子殴ってどないすんの、アホ」


「………」


真は黙ったまま引き下がった。


明野。明野美雪。

こいつの力はすごい。


今まで見てきた中で一番すごい。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ