転入生、蜜姫。
「それじゃあ、今日はスズカちゃんの通う学校に潜入します!!」
ルイさんの明るい声が聞こえる。
「学校は小中高一貫の学校です!皆は友里蒼央君について調べてください!」
「「「「はい!」」」」
思わず不安げに探偵団を見てしまう。
すると私の目に気づいたのか、ルイさんが優しく微笑んだ。
「上手くやるから大丈夫。手続きは最後の1人、加ヶ見 爽也ってのがしてくれてるから。」
「……わかりました」
おもわず、頷いてしまう。
それくらい、優しげな表情だった。
「それじゃあ、私は高等部2年、アオ君とスズカちゃんのクラスに入るね。みんなは、それぞれ自分の学年クラスに入ってね。」
「「はい!!!」」
みんな、心なしか楽しそうだ。
やっぱり、ワクワクするのだろうか。
「それじゃ、行こうか」
「うん」
私の手をミイちゃんが引いてくれる。
最初から、とても優しかった。
「スズカちゃん?」
「なぁに?」
「学校、楽しみだね!」
「……そうだね!」
初めてだった。学校が楽しみに思ったのは。
「今日は転校生がいます。」
教師の聞きなれた声。
入ってきたのは、下の方で長い髪を2つに縛った美少女。
「蜜姫琉依です。よろしくおねがいします」
ルイさんだ。
美少女の彼女は、すごく目をひいていた。
けど、彼女の視線はアオ君を一直線に見ている。
1度、私をちらりと見て、あの微笑みを見せてくれた。