朝が来た。あの子も来た。
私の眠りは、機械的な音で終了させられた。
ちらりと片目で携帯を見る。
時刻は6:20。
こんな時間に設定した人は誰だ。
まぁ、私以外、有り得ないのだが。
朝に苦労した記憶はあまり無い。
いつも、なんとなく目を覚まして、起きて、準備が出来る。
けど、今日はそうもいかなかった。
体が重い。
昨日の疲労が思ったより大きかったようだ。
私は携帯を置き、二度寝の旅に出ようとした。
5分、いや、10分。
そんな朝がダメな人の考えは、またもや音で終了させられた。
「ピーンポーン……」
玄関ベルだ。
こんな朝早くに来た人は誰だ。
一旦無視してみる。
すると1分後、もう一度鳴った。
「ゔぅ……」
体を布団から出す。
すると、それが合図だったかのようにベルが連続で鳴り出した。
「うわぁ、はぁーい!」
勢いに負けて、目を開け玄関に行く。
ふと、自分の服装を見た。
シャツに、短パンだ。
少し肌寒い。
近くにあったパーカーを羽織り、扉に手をかけた。
「はぁーい」
玄関を開ける。
「スズカちゃんっ!!」
「わぁ!?……って、ミイちゃん?」
玄関を開けた瞬間に抱きついてきたのは、探偵所のミイちゃん。
今日も黒髪をクルリと巻いていて凄く可愛い。
「どうしたの?」
「迎えに来たのっ!!スズカちゃん、着替えて!!」
「えぇ!?ちょっ、」
またもやミイちゃんに押され、私は着替えに自室へ戻った。