四人姉妹のクールビューティ。
「おー、いたいた。」
少し広い公園。
そこで走る女の子に、ルイさんは声をかけた。
「マイっ!!帰るよー!」
「……はーい」
ショートヘアの綺麗な黒髪に長めの前髪を右に流してとめている。
短パンからスラリと長い足が伸びていて、凄く綺麗な子だ。
クールビューティだな。
「マイ、今日新しい依頼人の子が来てくれたから、挨拶して?」
「えっと、中学3年の、蜜姫 舞依。次女です。」
「私は、スズカ。よろしくね。で、依頼人ってなに?」
マイちゃんの自己紹介のあと、ずっと気になっていたことを質問してみた。
マイちゃんは、驚いた表情をして、ルイさんを見た。
「ごめん、まだ話してなかった」
ルイさんが小さく手を合わせたあと、説明を始めてくれた。
「依頼人っていうのは、スズカちゃんのこと。
恋を叶えるお手伝いをするのが私たち、恋愛探偵所。」
「え、でも私依頼なんて」
私は依頼をした覚えはない。
てか、してない。
ナノカさんに手を引かれて、探偵所に入って、自己紹介が始まったんだ。
「依頼はね、探偵所に入った時点でされてるの。
依頼人しか、探偵所にはたどり着けないから」
ルイさんがいたずらっ子みたいな表情で微笑んでいた。
探偵所に戻りながら、みんなで説明をしてくれる。
たまにすれ違った人がナゼかじっと見てたりした。
こんな可愛い四人姉妹だし、目を引くんだと思う。
「スズカちゃんは、同じ学年のユウリ アオ君に恋してるのね。」
「え!?なんで、それ、」
思わず動揺する。
誰も知らないはずなのに。
ましてや、初対面の人が知ってるはずないのに。
「お、当たりだね。その人は、サッカー部で、王子様?」
「うん」
どんどん当てていく。
クラス、特徴とか、色々。
「凄い…魔法みたい。」
思わず呟くと、メイちゃんが微笑んだ。
「魔法使い探偵団も良いけど、私達は恋愛探偵だよ、スズカちゃん!」
「でもまぁ、魔法っぽいこともするかもね」
マイちゃんの意味深発言。
「どうゆうこと?」
私が聞くと、マイちゃんはニコニコしながら
「明日、教えてあげる」
と言った。
「明日も、来ていいの?」
少し驚いて聞く私に、四人姉妹は笑った。
「いいに決まってるじゃん」って。
依頼人と、探偵って関係も、友達と同じくらいいいかもな、なんて思った。