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僕が朝目を覚ますと、布団の上にはいつもシッポを振って舌を出す子犬がいた。
「うわぁぁ!」
僕は慌てて布団から飛び起きて部屋中を逃げ回る。
「シッシ! 来るな、寄るな!」
普通の人から見たら、なんて情けないヤツだと思われるかもしれないけど、動物は子供でも嫌いなんだ。
きっとコイツだって、成長したら大きくなって家族の手に負えなくなるに決まってる。
僕が必死に犬から逃げていると、僕を起こしにやってきた母さんが小さな溜息を吐いて、走り回る犬を抱き上げた。
「サクタ、ダメでしょ? お兄ちゃんは動物が苦手なのよ」
僕はイライラして小さな地団駄を踏んだ。
「何で毎朝そいつが僕の部屋にいるんだよ!」
「構って欲しいのよ。純だけよ、サクタと遊んであげてないの」
母さんは当たり前の事のようにさらりと言い切った。
何だよ、みんなしてサクタサクタって。
だから嫌いなんだ動物は。どうせ最初だけ可愛がって、飽きたらほかりっ放しにするんだから。




