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失恋した俺は俺にだけ弱い内面を見せてくれるクラスのマドンナと同居をする――これは完璧な彼女を救うための物語  作者: 有原優


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第21話 来客

 その後は幸原さんと色々な話をした。


 先程の興奮も去り止まぬ中、ちゃんと恋愛感情を隠せていたかは分からない。

 しかし、話せば話すほど好きだという感情が湧き上がってくる。


 俺はずるい人間だ。

 俺は幸原さんの元から離れるべきなのに、それすら出来ないのだから。


「それで、本当の友達になった印として、名前で呼んでくれない?」


 そんな事を思考していると、衝撃の提案があった。


「私の事を緑って」

「あ、ああ。よりしく緑さん」

「ごめん……さん付け外して」

「ああ、分かった。緑」

「うん、智也」


 その言葉にドキッとした。

 今日はドキッとしっぱなしだ。

 いったいいつまでこの恋愛感情を出さずに済むのか、果てが知れない。


「なあ、美羅」


 教室に戻るとすぐに、美羅に声をかけた。


「ん、なーに?」

「俺ちょっと自信がないんだ」

「自信?」

「俺は、恋愛感情を見せないでって言われたんだ。幸原さんに」

「あー、なーるほーどね」

 そして、軽く唇を尖らす。


「ま、私はどうでもいいけど」

「どうでもって何だよ」

「智也が夢ちゃんと幸原さん、どちらと付き合う事になっても」


 その言葉に、俺は首を傾げた。


「いや、何でそこで前原さんが出て来るんだよ」


 俺が叫ぶと、「いや、同居カップルは付き合うものだし」という、創作ものの前提が出てきた。よく分からん。

 ちなみに今夢子さんは今日も相談を受けている。しかし、いつもよりも少し乱雑になっている気がする。

 それはもちろんいい意味でだ。全員に対して本気で相談を受けていたら精神が削れてしまうのだから。



 そして、その変な感情のまま放課後まで時間が経った。

 今日は美羅が家にやってくる日だ。

 その時通知が来た。夢子さんからだ。

 俺はスマホを手に取りメッセージを確認する。


「用事があるから家に帰るの遅くなります。ごめんね」という物だった。

 俺はそれに「かまわないよ」とだけ返信した。


 一応帰り道美羅とは別行動だ。


 そしてあっという間に家に着いた。


 そこにはドアの前で立っている美羅が見えた。

 俺が鍵でドアを開けると、「合いかぎ貰ってるんだ」と、にやにやしながら言われた。

 合い鍵って、言い方が同棲カップルのそれなんだが。


 そして家に入ると、美羅は「ほーほー」と言いながら周りを見渡す。


「ここが、愛の家なのねえ」

「だからやめろ」


 変なこと言うな。


「同棲じゃない、ただの同居だ」

「その言葉にはどういう違いが?」

「分かって行ってるだろ」


 今日の美羅はマジでうざい。

 俺はそんな美羅を俺の部屋まで案内をした。


「なあ、美羅」

「なに?」

「今日、家に来るのは初めてだよな」

「うん」

「どうしたんだよ、その荷物」


 明らかに荷物の量が多い。それも、カバンから取り出したものが。

 カバンという物は、見た目あkら中にどれくらいは言ってるのかわかりずらい。

 だから、今この瞬間取り出すまでは分からなかったのだ。


「今日は元々、くるつもりだったから」



 そう美羅は笑顔で言うが、その量は果てしない。

 きっと重かっただろう。



「それに今日、泊まろうと思って」


 ん?そんな話聞いてないぞ。


「だからほら、寝袋」

「お前の行動力に呆れた」


 泊まることが出来るようにこんなことをしていたなんて。


「それでどこで寝るんだ?」

「この部屋に決まってるじゃん」


 ああ、馬鹿だ。


「お前、俺がいることを忘れているんじゃねえぞ」

「忘れてないよ。でも智也って私の事襲わないじゃん」

「襲わねえけどよ」


 否、襲うわけがない。そんな事をしたら最後、犯罪者待ったなしだ。

 そもそも美羅に異性感情はないし。


「ふーん、襲わないんだ」


 そう言って制服のボタンを一個づつ外していく美羅。

 本当に何をしているんだ。俺はツッコまねえぞ。


「はあ、暑かったー」


 こいつ、ついにボタンをすべて外しやがった。

 そこに現れたのは、胸だ。

 美羅はそこそこ巨乳の部類に入る。

 とは言っても、平均よりも少し大きいくらいだが。


 俺はそんな幼馴染の事は無視して、漫画を読み始める。

 なんかもう、ツッコんだら負け名気がした。

 とりあえず無視だ。


 こいつもテンションがおかしくなってるのだろう。

 こんな時にまでからかわないで欲しい。

 それが率直な気持ちだ。


 俺は今日、夢子さんの異変に、幸原さんの好きにならないでという言葉。

 そう、混乱が止まらないのだ。

 俺はもはやどうしたらいいのかすら分からなくなってるというのに。


「ねええ!」


 五分程度無言の空間が続いた後、しびれを切らしたように美羅が飛び込んできた。

 そう、まさに俺の胸元に。


「反応してよ」

「反応って……」


 逆に反応されたいのか?

 反応されたとしたら女として嫌じゃないのか?

 いや、この場合の反応は、ツッコんでという事だろうが。


「なあ、美羅」俺はため息をつく。「もうやめろよ」

「やめないもん」

「きわどい遊びすんなよ」


 俺は押しのける。


「ひどい、私よりもあの女の方が大事なんだ」

「この茶番いつまで続けたらいいんだよ」


 もう飽きた。

 いや、正確に言えばとっくの昔に飽きていた。


「そろそろ健全になろうぜ」

「はーい」


 そうしぶしぶ言って制服を再び斬る。

 しかし、こうしてみるといい体してんだよな。

 そんなことを言ったら変態みたいになるから、辞めとくか。


 そして美羅はベッドの上に乗り込んでくる。

 俺は今日ベッドに座っていないというのに。

 こいつ、もしや家に上げたらいけない人だったか?

 勿論俺の以前の家にも来たことはある。

 だけど、こんなことなかったはずだ。


「今日、どうしてそんな感じなんだよ」


 俺は訊く。美羅とは気の知れた仲だ。気兼ねなく聞ける。


「えーそりゃー決まってるでしょ。夢ちゃんへの当てつけだよ」

「なんでだよ。夢子さんここにいないから意味ねえだよ」

「えへへ、でもさ。……ラッキースケベくらい怒ってるんじゃないの?」

「前も言ったけど、パジャマ姿の夢子さんを見ただけだよ」

「ふーーーーん」

「なんだよそのふーーーーんは」


 しかもめっちゃ溜めて言うし。


「よーし、私がラッキースケベ起こしてあげる」


 そう、童のような表情で言う美羅は小悪魔という感じがした。


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